★西川暴露本批判を先走ってチャンスを逸した民進党の大失敗-(天木直人氏)

TPP審議が始まったとたん、

元農水大臣でいま開かれてるTPP特別委員会の議長である西川公也氏の「TPPの真実」(中央公論社)

という暴露本が大問題になっている。

 民進党がその原稿をどこからか入手して追及したからだ。

 報じられるその内容の一部を見ただけでも、とんでもない暴露本だ。

 政府・与党が官僚、マスコミとグルになってTPPを推し進めていた事が

数々のエピソードで裏づけられているようだ。

 このような内容を西川氏が一人で書けるはずがない。

 官僚に書かせたのだ。

 当然ながら守秘義務違反のおそれも出てくる。

 この暴露本は、TPP阻止のための安倍政権追及の決め手となるに違いなかった。

 ところが、こんな貴重な証拠を入手しておきながら、民進党はとんだ先走りをした。

 本が出版される前に国会で追及し、手の内をさらけ出した。

 安倍政権は逃げ、この本はおそらく出版されずに幻の暴露本で終わってしまう。

 せめて民進党は入手した原稿を国民に公開し、

国民の手で安倍政権のTPP強行を阻止できればいいが、それさえも出来なくしてしまった。

 出版前に原稿をばら撒くことは出来ないからだ。

 その原稿をメディアが入手したところで報道できない。

 出版元が許可しないからだ。

 そして安倍政権は、この西川暴露本の出版差し止を、

今や中央公論社のオーナーとなった読売に命じるだろう。

 こんな重要な原稿を事前に入手しておきながら、民進党は手柄を焦ってとんだへまをした。

 その失策のツケはあまりにも大きい。

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