★安倍・オバマの個人的関係を占うオバマの広島サプライズ訪問ー(天木直人氏)

私は4月1日のメルマガ第277号で書いた。

 オバマ大統領の広島サプライズ訪問は有りうると。

 そう書いた後で、発売されたばかりの選択4月号に、

「ヒロシマをめぐる日米の深い溝」という記事を見つけた。

 少し長くなるが、その記事が言わんとしている事を以下の通り引用したい。

 夏の参院選後の内閣改造で交代すると見られる岸田外務大臣にとって、

もし広島でのG7外務大臣会合(4月10日、11日)で、

ケリー米国務長官の平和記念公園での献花、被爆者との直接対話が実現すれば、

さしたる実績のない岸田外務大臣にとって格好の花道になる。

しかし、日米間の溝はケリーの広島滞在中の日程調整が始まってすぐに明らかになった。

米側は献花を行うことさえも抵抗し、献花の方向が固まっても、

G7の外相が全員一致で献花するのか、個別に行うのかといった細かな所作に神経をとがらせ、

平和記念資料館の視察中、どこでどんな映像をメディアに取らせるかなど、

一挙一動に詳細な注文をつけてきたという。

被爆者との面会には強い難色を示しており、会合最終日に発表する共同声明をめぐっても、

広島や長崎の悲劇に言及する事に慎重な意見がある。

「あらゆる行事がいつキャンセルされてもおかしくない」という不安の声が外務省から漏れてくる。

G7外務大臣会合でのケリーの動きは蓋を開けてみるまで分からないものの、

準備段階での日米のすれ違いは、中国、韓国が日本への恨みを忘れないように、

米国にも「原爆でしか阻止できなかった好戦的で残虐な民族」という日本観が根強く残っていることを示した・・・

 このような折衝が外務省と米国務省の間で行われていたのだ。

 この記事を読むと、きのう岸田外相が発表したG7外相の広島平和公園訪問と献花の決定も、

額面通り手放しで歓迎するわけにはいかないことがわかる。

 つまりG7の外相の一体とした行動と、米国の外相であるケリー国務長官の個別行動とでは、

その意味合いは大きく異なるのだ。

 そして、それはそのままオバマ大統領の広島サプライズ訪問の有無につながる。

 外務省幹部は2日の夜、

ケリー国務長官の広島訪問でどういう反応が米国内で出るかによって今後の展開は大きく変わる、

という趣旨の発言をしたらしい(4月3日毎日)。

 確かにそうかもしれない。

 そして祖の反応次第ではまだオバマ大統領の広島サプライズ訪問の可能性の残っている。

 しかし、最後の決め手は、やはりオバマ大統領と安倍首相の個人的信頼関係によって決まる。

 岸田外相の手柄だけで終わらせたくないなら、安倍首相はオバマ大統領に広島訪問を強く求めるはずだ。

 オバマ大統領が安倍首相のこれまでの従属ぶりを評価するなら、

最後は安倍首相に花を持たせたいとオバマ大統領が考えてもおかしくはない。

 しかし、ゴルフ好きのオバマ大統領が、安倍首相のゴルフ好きを知って、

それでも在任中一度もゴルフを誘わなかった。

 やはりオバマ大統領の広島訪問はないのかもしれない。

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