★日米韓の結束強化を強調するだけで終わった核サミットー(天木直人氏)

私が予言した通り、安倍首相の今度の核サミット外遊は、

日米韓三カ国の同盟強化を強調する以外、何ひとつ見るべきものはなかった。

 それどころか、日米首脳会談では、

「辺野古が唯一の解決策だ」といいながらなぜ和解したのか、とオバマに詰め寄られ(4月2日朝日)、

核サミットのタイミングに合わせて実施された日本からのプルトニウム返還は、

まるで核がテロに渡る事を防ぐための成果だ、と言わんばかりだ。

 日韓首脳会談では、日韓で合意したはずの元慰安婦を支援する財団設立や、

ソウルの日本大使館前にある少女像移転について、具体的進展は何もなかった。

 そして、日韓間のもうひとつの懸念である歴史認識・領土問題については触れなかった(4月2日日経)。

 唯一の成果は北朝鮮を抑止する日米韓同盟の結束強化だ。

 しかし、それをあざ笑うかのように、タイミングを合わせて北朝鮮は挑発行為を繰り返す。

 こんな応酬がエスカレートして不測の事態に発展すればどうするのだ。

 これほど不毛で、間違った日米韓同盟の結束強化はない。

 ところが、それを指摘するメディアは皆無だ。

 それどころか、いまでは朝日よりもリベラルと評価される東京新聞ですら、

日米韓首脳会談を「東アジア安定の礎に」と題する社説を掲げる始末だ(4月2日社説)。

 ここまで日米韓三カ国の同盟強化が喧伝されては、私が間違っているのか、と思ってしまう。

 もちろん、そんな事はない。

 北朝鮮に対する制裁には厳しく臨むが、北朝鮮を追い詰めるべきではない。

 これこそ、安倍首相の日本が率先して唱える事なのに、習近平の中国に先を越されてしまった。

 その事を何も書かない日本のメディア。

 間違っているのは安倍首相の日本とそれに迎合する日本のメディアの方である。

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