★中谷防衛相と翁長知事の会談は辺野古だけではなかったー(天木直人氏)

これもきょう3月28日の産経新聞が教えてくれた。

 中谷防衛大臣はきのう3月27日、沖縄県庁で翁長知事と会談した。

 これを、各紙は一斉に書いている。

 辺野古移設をめぐる訴訟の和解提案を受け入れた後の、国と県庁との誠意をもって行う協議の一環だと。

 しかし、立場は平行線のままだったと。

 当然だろう。

 辺野古移設が唯一の解決策であると言い続ける国と、

辺野古移設は認められないという姿勢を崩さない翁長知事との間で、話し合いが進むはずがない。

 それにしても、なぜこのような無駄な協議をするために、

中谷防衛大臣はわざわざ沖縄まで出かけて行って、翁長知事と話し合ったのだろ。

 翁長知事は中谷防衛大臣と会ったのだろう。

 誠意を見せる安倍政権のパフォーマンスなのか。

 辺野古移設反対の立場を裏切らないという翁長知事の決意の表明の誇示なのか。

 私はそう思っていた。

 ところが産経新聞が教えてくれた。

 もちろん辺野古移設問題も話した。

 しかし、それだけではなかったのだ。

 「中谷氏は米軍北部訓練場の早期返還に向けた協力も要請した・・・」と産経新聞は書いた。

 どういうことか。

 それは、米軍北部訓練場の返還条件として、

ヘリコプター着陸隊の移設工事を安倍政権は飲まされていたのだが、

地元の反対派が県道で妨害運動をしているから工事が進まない状況が続いていたという。

そこで安倍政権は県道の管理者である沖縄県に、

反対派の妨害を排除してくれと頼み込むために中谷防衛相が沖縄県庁を訪れたというわけだ。

 その産経新聞の記事はこう締めくくっている。

 「オスプレイの配備に反対している翁長氏は、オスプレイが使用する着陸隊の移設にも消極的。

そのため中谷防衛相はオスプレイの安全性も強調した。

辺野古移設の決着が先送りされる中、北部訓練場が新たな焦点に浮上している」と。

 どこまで行っても厚かましい米国だ。

 どこまで言っても米国の言いなりの安倍政権だ。

 沖縄問題は辺野古移設問題だけではない。

 日米同盟が続く限り、沖縄住民の犠牲は、あらゆる面で減るどころ、かますます増え、

沖縄は対米従属の日本政府から、差別され続けるということだ。

 この厳然たる事実を産経新聞の記事は教えてくれたのである。

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