★いのちより大企業利益を優先するTPPを阻止!ー(植草一秀氏)

朝の来ない夜もないし、春の来ない冬もない。

春分の日も過ぎて、いよいよ春爛漫の季節がやってきた。

そして、日本の闇にも光を差し入れなければならない。

主役は私たち主権者だ。

政党にもいろいろな動きが生じているが、

何よりも大事なのは、主権者である私たちが考え、判断し、行動することだ。

3月18日に文京シビック大ホールに1000名もの主権者が結集した。

「戦争と弱肉強食=NO!」

「平和と共生=YES!」

ののぼりがはためいた。

主権者がオールジャパンで連帯すれば現実を変えられる。

「誰かが変えてくれるから私たちが変えるへ」

主権者の行動が現実を変える原動力になる。

3.18参院選総決起集会のタイトルは

「安倍政治を許さない!」

この旗の下に野党5党(4党)が結集した。

江田五月民主党最高顧問

篠原孝民主党衆院議員

山下芳生日本共産党書記局長

吉田忠智社会民主党党首

そして、

小沢一郎生活の党と山本太郎となかまたち

が手を取り合って参院選勝利を誓った。

野党5党代表者と

戦争させない!9条壊すな!総がかり行動実行委員会の

高田健氏、

さらに

オールジャパン平和と共生最高顧問の

原中勝征前日本医師会会長

が手を結び、

「主権者が日本を取り戻す!」

「安倍政権打倒!」

「参院選勝利!」

に向けて団結ガンバローを唱和した。

この連帯がオールジャパンに広がれば、必ず現状を変えることができる。

「戦争と弱肉強食」に突き進む安倍暴走政権。

主権者は「平和と共生」の政治、「平和と共生」の日本を求めている。

オールジャパン平和と共生は

戦争法廃止、原発再稼働阻止、TPP不参加、辺野古基地建設阻止、格差是正、緊急事態条項阻止、

消費税再増税中止

を訴えているが、

TPP阻止に向けて、3月30日に大きな主権者行動が予定されている。

「TPPを批准させない3.30国会行動」

http://nothankstpp.jimdo.com/

国民の同意なきTPP協定

止めるなら今しかない!

である。

3月30日水曜日にアクションが計画されている。

平日の昼間の時間帯であるので、都合がつかない人も多いかも知れないが、

主権者にとって百害あって一利なしのTPPへの参加を阻止するために、主権者が行動しなければならない。

14時30分~16時30分 
衆議院第二議員会館前を中心に座り込み行動

17時~18時30分
憲政記念館大ホールにて決起集会

19時~20時
国会請願キャンドルデモ
憲政記念館付近から出発、自民党本部横を通過し、国会で請願、日比谷公園まで進んで解散

1人でも多くの主権者が参集して、主権者の生存権、幸福追求権を侵害するTPP阻止に向けて行動しよう!

TPPについて正しい知識を持つ主権者は非常に少ない。

その理由は、安倍政権が主権者に正しい情報を提供していないからである。

政府が正しい情報を伝えなくても、

マスメディアが正しい情報を伝えるなら主権者が重要事実を知ることができる。

しかし、マスメディアも重要事実をまったく伝えない。

なぜか。

マスメディアは主権者の利益ではなく、政治権力と大資本の利益を優先しているからだ。

安倍政権は米国からTPP参加を命令されている。

そして、TPPはグローバルに活動する巨大資本の利益を極大化することを目的とする仕組みである。

TPPの最大の特徴は、単なる関税引き下げの枠組みではなく、

各国の制度や規制全体を統括する枠組みであり、強制力を持つ点にある。

TPPに参加してしまうと、社会全体のさまざまな制度や規制がTPPによって決定され、

国家主権が失われてしまう。

つまり、日本のことを日本の主権者が決められなくなってしまうのである。

そして、この制度は、日本の主権者の利益を追求するものではなく、

グローバルに活動する巨大資本の利益を極大化させるための枠組みであるから、

主権者にとっての不利益が満載されているものなのである。

ところが、日本のマスメディアは、米国から命令されている日本政府と、

スポンサー収入を提供する大資本の意向に逆らえない。

「TPPは日本の主権者に恩恵を与える素晴らしい仕組み」

であるという、ウソの情報をばらまいている。

「TPPで米国産の牛肉ステーキが安く食べられるようになる」

程度のことしか伝えないのである。

TPPがもたらす負の側面、悪魔の本性をまったく伝えないのだ。

一番身近な食品のことを考えてみよう。

食品は私たちの生命や健康に直結する、もっとも切実な問題だ。

食品添加物

残留農薬

遺伝子組み換え食品

BSEの危険部位

など、心配の種は無数にある。

これらの問題について食品に表示義務が課せられているが、

当然のことながら、その表示義務は日本政府が決めてきた。

日本政府が決めるということは、日本の主権者が決めてきたということだ。

米国などに比べると、日本の規制は厳しいのが現実である。

食品添加物の規制、残留農薬の規制、遺伝子組み換え食品の表示義務など、

日本の規制は米国などよりもはるかに厳しい。

これらの規制によって、食の安全、食の安心などが確保されてきた。

ところが、TPPに入ると、こうした日本独自の規制が破壊されることになる。

外国資本は日本の厳しい規制によって利益を損なわれたと国際紛争処理センター(ICSID)に訴える。

ICSIDが決定を下すと、日本政府は服従させられる。

巨額の損害賠償金を支払わされることもある。

判決の軸には、危険性に対する立証責任が置かれる。

「安全であることを証明すること」ではなく「危険であることを証明すること」が求められるのだ。

ここでいう「証明」が厄介である。

福島ではいま、甲状腺がんが異常な確率で急増しているが、

日本政府は、甲状腺がんが原発事故によるものであることが「科学的に」証明されていないから、

「原発事故を原因とするものであるとは言えない」と主張している。

これと同じことが、国際紛争で生じる。

「科学的に立証」というハードルは無限に近いほど高いものなのだ。

「科学的に立証」されていないものを規制することは投資をした企業に損害を与えるものであるから、

そのような規制はなくせ、との命令が下る。

日本はこれに服従しなければならなくなる。

遺伝子組み換え食品を作る企業は世界の巨大企業で、金の力ですべてを支配してしまうのだ。

こうした巨大資本の利益のために、私たちの命や健康が犠牲にされる。

それがTPPの正体である。

日本をTPPに組み入れようと狙っているのは米国の巨大資本で、

とりわけ、医療関連産業、農業関連産業、保険関連産業が突出している。

日本の農業も部分的には利益を生みだす。

巨大資本による農業を日本に認めさせて、日本農業を支配する。

その農業は日本の主権者のための農業ではない。

大資本の利益極大化のための農業である。

食の安全、安心など眼中にない。

日本の食料自給なども眼中にない。

ただひたすら、大資本の利益を極大化することだけが目的なのだ。

日本をTPPに組み入れて、医療関係各種価格の価格統制を取り払う。

医薬品や医療機器の価格が跳ね上がることになるだろう。

公的医療保険の財源が制約されているから、必然的に、日本の医療は二本立てになる。

公的医療保険で賄う医療と公的医療保険が賄わない医療の二本立てだ。

公的医療保険が賄わない医療は、民間保険会社の支出によって賄われる。

富裕者は高額の民間医療保険に加入して、十分な医療を受けることができるが、

富裕者でない一般の主権者は、公的医療保険が提供する、貧困な医療しか受けられなくなる。

医療の分野に激しい格差が持ち込まれることになる。

医療機関も医療従事者も、高い所得を得られる民間保険医療にシフトすることになるだろう。

つまり、富裕者以外は早く死ねという体制が確立されるのである。

また、米国の保険会社は日本の共済制度を目の敵にしている。

日本の共済制度は非営利で保険事業を行っているため、

米国の保険会社にとって邪魔者以外の何者でもない。

米国の保険会社は日本の共済制度そのものが、

外国資本の利益を損なう存在であると指摘して、

生協や農協などの共済制度そのものを破壊する行動に進むだろう。

そして、関税交渉そのものを見ても、

日本が聖域として残すと主張した分野の関税引き下げ、関税撤廃が激しい勢いで強制される。

牛肉の輸入関税は現行の38.5%が発効初年度に27.5%に引き下げられ、16年目に9%になる。

これに対して、日本が米国に輸出するトラックの関税率25%は、発効後30年間引下げはなしである。

このような屈辱的な不平等条約が締結されようとしているのである。

グローバル巨大資本のグローバル巨大資本によるグローバル巨大資本のための各国制度・規制制定条約、

それがTPPの正体なのである。

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