★児童虐待に鈍感になってしまった日本と安倍政治の本当の罪ー(天木直人氏)

きょう3月25日の各紙が一切に取り上げた。

 全国の児童相談所から警察に通告された児童虐待が過去最多の3・7万人に達したことが、

警察庁のまとめでわかった、と。

 その内実を知るとさらに衝撃的だ。

 家族(両親)による虐待が多い。

 先日も相模原市の児童相談所に救いを求めていた中学生が自殺するという

衝撃的な事件が起きたばかりだ。

 先日もNHKのニュースで、児童の死亡の原因がいじめによるものが多い、

これは氷山の一角だ、という衝撃的な医師の言葉が紹介されていた。

 いずれも親の児童虐待だ。

 なぜこのような日本になってしまったのか。

 すべては安倍政治の仕業だ。

 そう決めつけるのは簡単だ。

 そして私は安倍政治の責任は大きいと思う。

 しかし、私が安倍政治の責任という意味は、単に安倍政治が格差社会を助長し、

国民生活を苦しくさせてしまったからだけではない。

 安倍政治の一強支配が野党を追い込み、その野党が安倍批判に躍起になるあまり、

余裕をなくしどんどん劣化してしまった、という意味においてだ。

 「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名ブログに対する安倍政権の対応が批判されている。

 しかし、どのような理由であるにせよ、死ねという言葉を使うことが容認されていいはずがない。

 ましてやそれを政局に使うなどということはあり得ないことだ。

 少し前の2月28日の朝日新聞紙上に、

「だまってトイレをつまらせろ」という高橋純子という政治部次長の論説が掲載されたことがあった(政治断簡)。

 その趣旨は、経営者がケチって水洗便所のチリ紙を完備しない場合、

労働者は新聞紙でも何でも使って、トイレをつまらせろ、

そうしたら経営者は、つまったトイレを修理するなり、チリ紙を置くしかなくなる、

この反抗心こそ生かされているのではなく、生きている証だ、と推奨しているのだ。

 いくら私が反権力であるからといって、ここまでは言わない。

 他人の迷惑を考える余裕は失わない。

 そういえばこういう事もあった。

 福島原発事故の帰りに那須塩原に立ち寄ったある活動家の一人が、

私の住んでいる那須塩原に立ちって放射線数値を調べてやるというので、一緒に近くを回った事があった。

 その時、その活動家は他人の人家の中にも無断で入り込んでやたらかまわず調べまわした。

 ただでさえ不法侵入になるのに、反権力者の我々がそんな事をすれば、たちどころに捕まる。

 だから止めろと忠告しても、まったく聞き入れなかった。

 そのうち家人が出て来た警察に訴えると騒がれた。

 私は今の野党とその支持者には、安倍政権を倒すことに精一杯で余裕がなくなっているような気がする。

 政治が荒んでしまったような気がする。

 私が既存の政治から遠ざかる理由がそこにある。

 与野党から政治的余裕をなくさせた安倍政治こそ、日本を悪くした本当の罪に違いない。

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