★プロ野球賭博事件の幕引きに見るこの国の政治の正体ー(天木直人氏)

予想通りのもみ消しだが、ここまで早く幕引きされて終わるとは思わなかった。

 巨人野球賭博事件の事である。

 徹底解明する、だから捜査は長引く、と言っておきながら、

天下り熊崎コミッショナーは、高木京介一人の処罰を早々と発表した。

 賭博が全球団に及ぶ疑惑が強まっている中で、12球団が金銭問題をあっさり認め、謝罪した。

 これで幕引だ。

 大き過ぎる銀行は、その影響があまりにも深刻だからつぶせない。

 かつて金融危機の時にそう言われたことがあったが、これはすべてに共通しているのだ。

 そして、その行き着く先こそが、この国の今の政治状況である。

 いまの政治は完全に機能不全である。

 すなわち、安倍自公政権の行き詰まりはもはや誰の目にも明らかだ。

 しかし、それに代わる野党は不在のままだ。

 野党連合で政権を取り返すなどということを本気で考えている者はいないし、

万が一取り返したところで、あの顔ぶれではどうにもならない。

 与党も野党も国民を救えない。

 それにもかかわらず、安倍自公政権はいま政治を混乱させるわけにはいかないと言い、

野党は政権交代をもう一度と、叫ぶ。

 すべては、政治を自分たちだけで独占し、政党、政治家の特権を手放したくないための、

与野党政治家の自己保身だ。

 それを分かっていながら、国民にはなす術はない。

 既存の政党、政治家を全否定すれば、混乱が起きるとおそれるからだ。

 誰がやっても変わらないとあきらめているからだ。

 こうして、すべてがやり過ごされ、過去が忘れ去られていく。

 どうすればいいのか。

 新党憲法9条構想の実現しかないという私の思いはますます強まる。

 しかし、まだその時期は熟していない。

 国民がそれに気づかなければ大きな動きには発展しない。

 そして国民がそれに気づく時が来るのか、それはわからない。

 あるいは永遠に来ないかもしれない。

 そして、それはそれで、仕方のないことかもしれない。

 無理をせずに私はその時を待つ。

 その時が来るまで、私は既存の政党・政治家による自己保身の動きを監視し続ける。

 国内問題、国際情勢の動きを読み解く努力を続ける。

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