★北朝鮮がミサイル発射するたびに露呈する破壊措置命令の不備ー(天木直人氏)

北朝鮮のミサイルを発射を受けて政府は破壊措置命令を発令したらしい。

 きょうの各紙がそう書いている。

 しかし破壊措置命令を出したかどうかを政府が公表する事はない。

 それは安全保障上の機密であるからだ。

 なぜ各紙はそう報道したのか。

 それは複数の政府関係者が明らかにしたからだ(3月19日読売)。

 彼らを通じて政府は破壊措置命令を出したことを伝えたかったのだ。

 そうしないと北朝鮮に対しても、国民に対しても、格好がつかないからだ。

 しかし、破壊措置命令を出すたびに、

政府は我が国の迎撃ミサイル体制の不備を露呈する愚を繰り返すことになる。

 今頃になって海上配備迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦を近海に展開させても

今回のミサイル発射には間に合わない。

 今頃になって地対空迎撃ミサイル(PAC3)を市ヶ谷の自営隊駐屯地に配備しても役に立たない。

 笑ってしまうのは、きょう19日の日経新聞が報じている防衛省幹部の言葉だ。

 2月に人工衛星と称して発射した時は、

まだルートの事前予告があったからよかったが今度は「ルートがわからないとどこに配備するか悩ましい」。

 これが防衛省幹部の言葉だ。

 北朝鮮がミサイル発射するたびに破壊措置命令を発令せざるを得ない政府。

 発令するたびに露呈する迎撃ミサイル体制の不備。

 どうしようもない矛盾である。

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