★「辺野古が唯一か」、その徹底検証こそ辺野古移設阻止の決め手だー(天木直人氏)

久しぶりに我が意を得たりと思う明快な評論を目にした。

 きょう3月19日の東京新聞「メディア時評」で、沖縄国際大教授の佐藤学氏がこう書いている。

 米国と安倍政権が繰り返す「辺野古移設が唯一の解決策」であるという主張は正しいのか、

真実の検証が必要であると。

 その一例として佐藤氏は新聞報道を引用して次のように書いている。

 2月20日の毎日新聞「動き出す安保法制(中)」は、

昨年4月に改定された「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」には、

離島防衛は自衛隊の責任であり、

米軍の役割は自衛隊の支援・補充としか書かれていない事を指摘した。

ならばこの点を徹底検証し、在沖縄海兵隊が日本の離島防衛の為に存在するものでないことを

明らかにすべきだと。

 3月12日の共同通信は、大規模な米韓合同演習で、

米輸送機オスプレイが米海軍佐世保基地配備の強襲揚陸艦(ヘリ空母)から飛び立つ写真を配信した。

在沖縄海兵隊がオスプレイで戦地に行くには、

必ずこの強襲揚陸艦(佐世保)から沖縄まで丸一日かけて回航しなければいけない。

尖閣有事の際は海兵隊が尖閣諸島に直行するというこれまでの説明は真っ赤なウソではないかと。

 そして、佐藤氏はこう指摘する。

 全国紙は、巨額を投じて建設されようとしている辺野古の新基地が、

真に「日本の安全保障」のためなのか、いまこそ厳しく報道してほしい。

沖縄だけの問題ではないのだから、と。

 これはメディア時評だからメディアに対する注文である。

 しかし、まさしく「辺野古が唯一」の解決策であると繰り返す米国と安倍政権に対して

翁長知事の沖縄が迫る、辺野古移設問題の核心部分である。

 確かに翁長知事はこの事を指摘し、野党議員による国会質問も行われて来た。

 しかし、それに対する米国や安倍政権の答えは、「辺野古が唯一」であるという繰り返しでしかない。

 そして、翁長知事や野党議員の追及はそこで終わっている。

 このいい加減さこそ、辺野古移設問題をここまで長引かせた最大の原因ではないのか。

 「辺野古が唯一」のウソを示す例は、この二つの報道に限らない。

 数えられないほど多くの矛盾が見つかるはずだ。

 なぜならば「辺野古が唯一」はウソだからだ。

 だから、それらすべての矛盾をひとつひとつ明らかにし、繰り返し追及し、

明確な答えが得られるまで、これでもか、これでもか、続けなければいけない。

 徹底的な検証を国民の目の前で行うのだ。

 そうすれば辺野古移設は阻止できる。

 なぜならば「辺野古は唯一」ではないからだ。

 翁長知事の沖縄が本気で辺野古移設を阻止したければ、なすべき王道はその一点だ。

 政治的駆け引きではない。

 その事を我々は翁長知事の沖縄に求める権利がある。

 なぜならば、辺野古移設は沖縄だけの問題ではない、

日本国民すべての命運がかかっている問題であるからである。

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