★京都3区補選、自民党候補者立てず。世論が強ければ安倍政権は怯む。
野党選挙協力合意の成果。一段と衆参一人区の協力に期待したいー(孫崎享氏)

A事実関係

1:衆院選 京都3区補選 自民が公認見送り方針を確認(毎日新聞3月1日朝刊)

自民党は29日の役員会で、

宮崎謙介元衆院議員が女性問題で辞職したことに伴う衆院京都3区補選(4月24日投開票)で

公認候補の擁立を見送る方針を確認した。

役員会後に記者会見した谷垣禎一幹事長は「(女性問題で辞職したことから)謹慎も必要だ。

有望な候補を立てても惨敗すれば先につながらない」と述べた。

2:京都3区補選 共産も独自候補見送りを示唆(毎日新聞3月1日朝刊)

 共産党の山下芳生書記局長は29日の記者会見で、

自民党の宮崎謙介元衆院議員の辞職に伴う衆院京都3区補選への独自候補擁立を見送る意向を示唆した。

「(民主、維新などと)安全保障法制廃止や選挙協力に合意していることを踏まえ、対応したい」と語った。

B:評価

1: 成果がどこまで大きくなるか不明であるが、今日本政治に新しい流れができている。

 過去国政選挙特に一人区においては、自公は選挙協力するのに対して、

野党側は共産党が常に一人区に一人の候補を立て、野党票の分裂で惨敗を喫していた。

 それに対して民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの野党5党首は

2月19日、昨秋成立した安全保障関連法の廃止を掲げて

「国政選挙で与党とその補完勢力を少数に追い込む」ことで一致した。

民主の岡田克也代表は、党首会談で

①安保法制廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回

②安倍政権の打倒をめざす

③国政選挙で現与党及びその補完勢力を少数に追い込む

④国会や国政選挙でできる限りの協力を行う――の4点で一致したことを記者団に明らかにした。

2:この流れが京都3区衆議院選挙に持ち込まれた。

京都3区は野党の強い地域である。

 2014年12月の選挙では次のとおりである。

 当 宮崎謙介:自由民主党、公明党推薦 35.8%

   泉健太    民主党         33.1% 

   石村和子 日本共産党        16.1%

 2012年12月の選挙では次のとおりである。

   宮崎謙介 自由民主党       31.6%

  泉健太  民主党          31.5%

  石村和子 日本共産党       14.3%

 ここで民主、共産党の選挙協力が出来れば勝つ。そのような選挙区である。

3:不祥事を起こしたのは、宮崎謙介という一個人である。

何も自民党が問うとして罪を犯したわけではない。

新しい人を候補者に立て、その人が立派な人であれば当選する。

しかし、民主、共産が候補者を絞れば自民党は勝てない。それで自民党は候補を立てなかった。

4:選挙協力の力があらためて、実証されたこととなる。一段の協力体制の確立に期待したい。

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