★首脳会談を急ぐ米中と、外相会談すらできない日中ー(天木直人氏)

 まるで安倍外交の敗北を見せつけているような記事だ。

 きょう3月1日の産経新聞が書いている。

 中国の李克強首相は2月29日、北京でルー米財務長官と会談し、

習近平国家主席が近くオバマ大統領と会談するとの見通しを明らかにした、と。

 習近平主席は4月1日にワシントンで開かれる核安全保障サミットに出席するため訪米するが、

その時に首脳会談する事が決まったと言っているのだ。

 ひるがえって日本はどうか。

 同じ2月29日に、日中外務次官級協議が東京で開かれたという(3月1月各紙)

 谷内正太郎国家安全保障局(NSC)事務局長の訪中が検討されているという(3月1日日経)

 いずれも日中外相会談のお膳立てだ。

 しかし、次官級会談では溝は埋まらなかったという(3月1日朝日)

 谷内正太郎局長の訪中は、いまだ日程は固まっていないらしい(3月1日日経)

 そういえば、谷内局長は北朝鮮問題の協議で訪米すると報じられたことがあったが、

北朝鮮制裁に関する安保理決議案で米中が電撃合意したため、行かずじまいに終わった。

 激しく対立しながらも、必要ならすぐに会談する米中首脳。

 いくら官僚や官僚OBが働きかけても、外相会談すらできない日中関係。

 この違いは、見事に安倍外交の敗北を我々に教えてくれている。

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