★G20の宿題を引き継ぐG7サミット議長は大変だと書いた日経ー(天木直人氏)

 さすがは日経新聞だ。いいところに目をつけている。

 きょう2月28日の日経新聞がこう書いていた。

 G20の直後に開かれるG7の議長である安倍首相は

共同声明を受けた安倍首相は重責を背負うことになったと。

 G20の共同声明の内容を率先して果たすべく、

日本経済の好循環と内需拡大を実現しなければならなくなったと。

 G20で決まらなかった解決策を見つけなくてはならないと。

 実際のところG7はもともと世界経済問題を扱う会議だった。

 いまでこそG7は政治問題が中心のように受け止められているが、

そもそもサミットの前身は産油国の石油価格引き上げ策(資源ナショナリズム)に対抗するために

フランスのジスカールディスタン大統領が主唱して集まった主要消費国の作戦会議から始まった。

 そして、それが、石油価格急騰から影響を受ける世界経済問題を話し合うための

主要国首脳会談に発展していったのだ。

 だから今度のG7は、まさしくその本来の姿に戻り、世界経済問題が主要議題となるのだ。

 このことを喝破したのは日経新聞だけだ。

 さすがにその着眼点は鋭い。

 そしてG20の直後に開かれるG7は、

G20の共同声明で宿題とされた宿題を引き継がなければいけなくなる。

 だから議長国である日本と、議長になる安倍首相は重責を負う、

指導力が問われることになる、と日経新聞は書いている.

 それもまたその通りだ。

 しかし、日経新聞が書かなかった重要なことがある。

 それは、もはや世界経済問題はG7だけではどうにもならなくなったということだ。

 G20で解決できない事をG7で解決できるはずがない。

 おまけに安倍首相はG7にロシアを招こうとしている。

 しかしそのロシアはG7、なかんずく米国と敵対している。

 だから安倍首相はプーチン大統領をG7に呼ぶことはできない。

 しかし今の国際政治問題は、ロシアのプーチンなくしては何も決まらない。

 今度のG7は、国際政治問題についても有効に対処できないのだ。

 重責を任された安倍首相は、同時にまたその重責を果たせない宿命を背負わされたことになる。

 もはやG7はとっくにその役割を終えている。

 それが誰も目にも明らかなのに、だれもそれを言い出さなかった。

 今度こそG7の無用性が明らかになるのではないか。

 ひょっとして誰かがもうやめようと言い出すのではないか。

 そうなったら、安倍首相がG7の最後の議長になる。

 まもなく行われるG7は、張り切る安倍首相に対するこれ以上ない試練となる。

 日経新聞の記事を読んでそう思わざるを得なかった。

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