★中国の軍事的膨張とそれを止められない米国-(天木直人氏)

南シナ海の軍事覇権をめぐって米中の情報戦、外交戦が、エスカレートしている。

 米国がシンクタンクの一つである米戦略国際問題研究所(CSIS)を通じて22日、衛星写真を公開した。

 それを見れば中国が南沙諸島で猛烈に軍事施設を強化している事が分かる。

 確かにやり過ぎだ。

 「南シナ海の現状が大きく変わる」と警鐘を鳴らすCSISの指摘が、決して誇張ではない事が分かる。

 王毅・ケリー会談を前にして、国際世論を味方につけようとする情報戦で、先制パンチを食らわせたのだ。

 中国も一歩も譲らない。

 きょう2月24日の朝日新聞で北京発倉重奈苗記者が教えてくれた。

 中国外務省の副報道官は23日の記者会見で軍事拠点化との批判に反論したと。

 訪米中の王毅外相はケリー国務長官らとの協議で一歩も引かない構えだと。

 どっちもどっちだ。

 しかし、私は、米国は中国の軍事膨張を止められないと思っている。

 なぜか。

 それは軍事覇権の先輩である米国には、それを真似て後発の軍事覇権国をめざす中国に、

それを止めろという事は出来ないし、その資格はないからだ。

 そのことを発売中のニューズウィーク日本版最新号(3月1日号)が見事に書いている。

 南シナ海に飛来する米軍のドローン(無人機)や偵察機は、

中国にとって「裏庭」に入り込む煙たい存在だ。

以前は出て行けと告げる程度だったが、今や撃墜する態勢が整ったようだ、と。

 すでに昨年5月の時点で、環球時報(人民日報国際版)は

「アメリカが挑発と侮辱によって中国に教訓を学ばせたいなら、戦いは避けられない」と論説している。

 中国の人工島へのミサイル配備によりますます中国の軍事力は強化された。

 今後は米国も中国の怒りを買う動きには慎重になるかもしれない、と。

 これを要するに、軍事力では軍事力拡張を止められず、行き着く先は戦争しかないということだ。

 世界中を軍事力で威圧し、支配して来た米国も米国なら、

それをまねて米国に軍事的に敵対しようとする中国も中国だ。

 この新旧軍事覇権国の愚かさを批判できるのは、憲法9条を持つ日本しかないのに、

その日本が憲法9条を捨てて米側につこうとしている。

 誰かがその誤りを国民に気づかせなければいけない。

 それが新党憲法9条である。

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