★サミット前にTPPを承認して米国を後押しする安倍首相-(天木直人氏)

きょう2月12日の読売新聞が教えてくれた。

 佐藤勉自民党国対委員長は11日、

地元栃木県で開かれた会合でTPPの国会承認・成立を急ぐ考えを明らかにしたと。

 5月はサミットなどで審議時間の確保が難しいので、

3月中に特別委員会を設置し本格的審議を開始すると。

 これを要するに、事実上の審議はサミット前に終え、

会期延長なしの今国会でTPPを確実に批准するということだ。

 どんなに反対論があっても、あの安保法と同様に、いまの国会ならTPPは成立する。

 しかし安保法の成立とTPPの批准は決定的な違いがある。

 安保法は米国にとっては出来ても出来なくても関係ない。

 日米同盟の名の下に米国は何でも日本に要求できるからだ。

 しかしTPPは違う。

 米国議会は反対が強い。

 そして今度の大統領選では、選挙に勝つためにクリントンは反対をより明確にせざるを得なくなった。

 つまりTPPの米国による批准が不透明を増す中で、

日本がいちはやく承認し、米国の後押しをする、それが安倍首相の狙いだ。

 TPPは米国と日本の両方の参加が無ければ成立しない。

 逆に言えば、日米が批准すれば、他の国が批准しなくても成立する。

 すなわち日本が決定権を持っているのだ。

 安倍首相はサミット前にも事実上のTPP批准を行い、

それを世界に宣言しオバマ政権の後押し、他国に後に続けと指導力を発揮するつもりだ。

 そのような安倍首相の野望を阻止しなければいけない。

 しかし果たしていまの政治状況下で、それができるだろうか。

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