★NHKスペシャル「冷戦・極秘映像は語る」の衝撃-(天木直人氏)

きのう1月24日の夜9時から50分間放映された

NHKスペシャル「新・映像の世紀」は多くの観点から衝撃的だった。

 「冷戦・極秘映像は語る」と題するその夜の番組は、

一歩間違えば本当に米ソ核戦争が起きていた事を私に教えてくれた。

 ケネディ大統領に、いまなら勝てると言って

広島の何十万倍の核爆弾の投下を本気で進言していたのが、

あの東京大空襲、原爆投下を指揮した、「皆殺しのカーティス・ルメイ」であった事も知った。

 因みに日本は佐藤政権の1964年にそのルメイに最高位の勲章を与えてる。

 ケネディに原爆投下を踏みとどまらせたのは、米国のスパイだったソ連の軍人からの、

ソ連は核報復する、何億の人類が犠牲になる、という極秘情報だったことも知った。

 そのスパイはその後捕まってもちろん処刑されている。

 衝撃的だったのは、冷戦構造の中で米国がCIAを使って次々と政権転覆を重ね、

代理戦争を推進していった事をNHKが認め、それをリアルな映像で流したことだ。

 臨場感を示すためと断って虐殺場面をためらいなく放映した。

 そして、そのような自らの陰謀がブーメランのように跳ね返って来たのが

ISの出現であると締めくくっている。

 衝撃の極め付きは、キューバ危機にしても、ベトナム戦争にしても、

中東の米軍作戦にしても、沖縄が常に基地になっていた事を公然と認め、放映し、

沖縄に大量の核爆弾が運びこまれていた事さえも暴露したことだ。

 驚くべき率直さだ。

 そして、その衝撃的な番組が終わった9時50分に、NHKは速報を流した。

 沖縄の宜野湾市長選挙の結果、安倍政権が支援した佐喜真候補の当選が確実になったと。

 これはもちろん、まったくの偶然にちがいない。

 しかし、私にはNHKの国民に対する無言の語り掛けのような気がしてならなかった。

 これでいいのかと。

 1月24日の夜9時から放映されたNHKスペシャル「新・映像の世紀」

「冷戦・極秘映像は語る」は衝撃的な番組だ。

 国民必見の番組だ。

 日米同盟と言う名の対米従属政策が、

冷戦後もなお絶対的に優先されるこの国に対し、それでいいのかと問いかけた番組である。

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