★にわかに露呈された韓国の非民主性-(天木直人氏)

元慰安婦の心を踏みにじってまで慰安婦問題の政治決着の正当性を主張し続ける朴槿恵大統領。

 もし韓国国民がそのような朴政権を容認するなら、韓国は民主国家になり切れていない証拠だ。

 そう思っていたら、今度は北朝鮮に対する強硬姿勢だ。

 私が驚いたのは、韓国政界から核武装論まで出て来たという報道である。

 立て続けに起きたこの二つは、はからずも韓国の非民主性を露呈した。

 思えばドイツとの違いだ。

 冷戦が終結した直後から西ドイツは東ドイツとの統一を進め、あっという間にそれを実現した。

 東ドイツを受け入れることは経済的に大きな負担を招く事を承知の上で統一した。

 冷戦で分断されたドイツ国民なら冷戦が終われば一つに戻るべきだ、というドイツ国民の判断が後押しした。

 ひるがえって韓国はどうか。

 肉親までもが冷戦の犠牲になって引き裂かれたというのに、

冷戦が終わって70年たっても、南北朝鮮は統一出来ないどころか戦争も辞さない状態だ。

 もちろん、それが進まないのは北朝鮮の独裁体制のためだ。

 しかし、韓国の対北朝鮮に対する競争心と対米従属性にも大きな原因があると私は考えている。

 同じく非民主的で対米従属の日本と韓国は、表裏一体の愛憎関係にあるに違いない。

 そう考えたら、あれほど非難し合っていた安倍首相と朴大統領が、

基本的には何も状況は変わっていないのに、あっさり日韓合意し、不可逆的だと言い続けるのも頷ける。

 まったく民主的ではないのである。

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