★野党議員は真っ先に汚染水問題に対する安倍首相の責任を問えー(天木直人氏)

いくら安倍政権が一強多弱だと言っても、

たった一つの質問で安倍首相を総辞職に追い込むことができる。

 それほど安倍政権の直面している問題は深刻であり対応不能なものが山積している。

 その一つが放射能汚染水問題であることは間違いない。

 きのう1月4日の日経新聞が驚くべき記事を書いていた。

 すなわち東電は、原発事故時に飛び散った放射性物質が地下水に入り込み、

その一部が港湾に流出している問題について、5年近くたった今もまったく対応できていないという。

 いわゆる汚染水問題である。

 東電はあらゆる手を尽くしても有効策を見つける事が出来ない。

 一番最近の対策は、海側遮断壁をつくって海への流出を防ぎ、

汚染水を浄化した上で海に放出するという対策であった。

 しかし、汚染水の浄化が間に合わず、汚染水が増え続ける一方であるという。

 ここまでは私も報道で知っていた。

 最後の手段として東電がいま考えているのが凍土壁だという。

 つまり、建屋周辺を囲むように土壌を凍らせ、

地中に壁を築いて地下水への流入をくい止める、という方策である。

 ところが、この方策が原子力規制委員会の承諾を得られないというのだ。

 原子力規制委員会はあらゆる原発問題の安全性に関する最後の砦である。

 その原子力規制委員会が、それでうまくいく保証はないと言っているのだ。

 このことがどれほど深刻な事か、素人の私でもわかる。

 もはや東電に任せていては、汚染水問題の有効な対策は無理ということだ。

 そうなれば最後の責任は政府が果たすしかない。

 安倍首相は国民に対し、いや世界に対し、この汚染水問題に対する有効な対策を見つけ、

汚染水の海洋への放出について一日も早く、安全性を証明しなければいけないのである。

 これだけは、いくら安倍首相がごまかそうとしても、ごまかしで逃げられる問題ではない。

 もし野党議員の誰かが本気でこの問題を追及し、納得いくまで安倍首相に迫るなら、

間違いなく安倍首相は行き詰まる。

 解決出来ないなら内閣総辞職だ。

 そして日本は与野党を超えて、国をあげてこの問題に対する解決策を見つけ、

それでもだめなら世界中に助けを求めるしかない。

 よくもこのような重大な問題を5年間も放置してきたものだ。

 東電一人に責任を押しつけてきたものだ。

 我々は、政治家も官僚もメディアも、そして国民も、あまりにも原発事故から目をそらし、

逃げて来たのではないか。

 国会審議どころではない。

 参院選どころではない。

 もちろん東京五輪どころではない。

 この国の存亡にかかわる大問題なのである。

 果たして誰がこの汚染水問題を国会で追及するだろうか。

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