★情けない朝日、読売。
古舘氏降板の報道に、「本人の申し出」の面だけ。
政府・自民党の圧力の憶測をどう見ているのか、何故そのことに言及できないか。ー(孫崎享氏)

A:事実関係

1:朝日新聞(WEB版)「「報道ステーション」古舘キャスター降板へ 来年3月」

「テレビ朝日系のニュース番組「報道ステーション」(月~金曜、午後9時54分~)の

古舘伊知郎キャスター(61)が、契約終了に伴い来年3月で降板することになった。

テレビ朝日が24日、発表した。番組は継続するが、後任は決まっていないという。

 番組は、久米宏さんがキャスターだった「ニュースステーション」の後継として

2004年4月に始まり、古舘さんは当初から12年にわたってメインキャスターを務めた。

同局によると、本人から「新しいジャンルにも挑戦したい」などと申し入れがあったという。

23日までの放送回数は2960回、平均視聴率は13・2%だった。」

2:読売新聞(WEB版)古舘氏「報ステ」3月に降板…

新ジャンルに挑戦テレビ朝日は24日、平日夜の「報道ステーション」で

メインキャスターを務める古舘伊知郎さん(61)が、来年3月31日で番組を降板すると発表した。

同局広報部によると、「新しいジャンルにも挑戦したい」と古舘さんから申し出があったという。 

古舘さんは同局アナウンサー出身で、フリーに転身後、

2004年4月の番組開始当初から出演していた。

来年4月以降も番組は継続し、後任の出演者は「調整中」としている」

3:毎日新聞(WEB版)

「古舘さん降板 .「なぜ」広がる驚き 局の姿勢に疑問も」

「名キャスターとされた久米宏さんの後を受けて11年8カ月余り。

テレビ朝日の夜の看板報道番組「報道ステーション」の古舘伊知郎キャスターの

来年春での退任が24日、明らかになった。

放送に詳しい人たちは、年内最後の放送翌日に飛び込んだ突然の降板話に首をひねった。」

B:評価

・一人のキャスターが、「新しいジャンルにも挑戦したい」という事だけだったら、ニュースにはならない。

・報道関係者であれば、報道の仕方に今日、

テレビ、新聞に様々な圧力がかかっていることは承知であろう。

だから、今度の降板もその一環であり、だから報道する意義があるのであろう。

・毎日新聞は少なくとも見出しで、「なぜ」広がる驚き 

局の姿勢に疑問も」と問題であることを提示した。どれ位突っ込んでいるかはWEB版では見えない。

・それを朝日、読売はあたかも、

本人の「新しいジャンルにも挑戦したい」という問題だけであるかの如く、

報じている。降板させられたら、本人はこれまでの仕事がないわけだから、

「新しいジャンルにも挑戦したい」というのは当然だろう。

しかし、何故、その道の選択になったかを見るべきだ。

・読売新聞の、

「同局広報部によると、「新しいジャンルにも挑戦したい」と古舘さんから申し出があったという」

という程度で紙面を作るなら、新聞と名乗るのを止めて、

「政府・企業広報紙」と名乗って、公式発表だけ掲載したらどうか。

・安倍首相周辺および自民党が、自分達の望まない報道をしたら

報道関係に圧力をかけることは、報道関係は当然承知しているし、

一般の人々にもそれとなく伝わってきている。

・少なくとも今回の古舘氏降板の話は突然起こったわけではない。

長く降板への圧力が官邸などからかかってきたと報道されてきた。

ここが降板劇の核心であろう。

この核心に全くふれずに、そして原因が「本人から新しいジャンルにも挑戦したい」などと

申し入れがあったという」形で説明して事足りたとするなら、

もう報道機関と言う資格はないのでないか。

・各新聞・テレビは自社に対して圧力がかかって自分達が屈したことは

恥ずかしくて報道できないのは解る。

だったらせめて他者関係の圧力ぐらいは真剣に取材して、

圧力の現状を報ずる位の姿勢はとれないのか。

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