★中国のIMF増資を認めざるを得なかった米国の凋落-(天木直人氏)

天下の日経新聞が中国元の威力を認めた記事を大きく書いた。

 きょう12月18日の「IMF資本改革 米与野党合意」という記事がそれだ。

 その要旨はこうだ。

 欧州の経済危機などで資金重要が急増するIMFは、

経済力を強める中国をはじめとした新興国からの増資を

2010年12月に合意した(IMF改革)。

しかし米国では野党・共和党を中心に中国の発言力強化を警戒する声が強く、

IMF改革案の議会承認を5年以上も先送りしてきた。

ところがついに12月16日、米議会は中国の出資比率引き上げに電撃合意した。

 私がその日経の記事で衝撃を受けたのは、

IMFのラガルド理事長が、「米国が承認しないなら次善の策を考える」と最後通牒を発し、

「米国はずし」を恐れた米国が譲歩した、と書かれていたところだ。

 人民元のSDR採用の時もそうだった。

 もはやIMFは米国の独占物ではなくなったのだ。

 いうまでもなくIMFは拠出額に応じて発言権が強くなる、米国にとって有利な国際金融体制だった。

 そのIMFが米国が反対するなら米国抜きで決めると言い出したのだ。

 しかも、その理由が中国の増資を認めるという事である。

 アジアインフラ投資銀行、人民元のSDR採用についでJMF増資だ。

 中国の資金力はついに国際金融面においても米国一極集中を打ち砕いたのだ。

 この傾向はどんどんと加速していくだろう。

 軍事力と並んで国際金融力は米国の二大武器だ。

 誰もそれに挑むものはなかった。

 それを中国は、周到に、時間をかけて、着実に成し遂げようとしている。

 なにしろ白髪三千丈の国だ。

 悠久の歴史を持つ国だ。

 その中国と無益な競争をして対米従属に走る安倍首相が如何に歴史認識の欠けた愚かな首相であるか。

 それを見事に教えてくれた日経新聞の記事である。

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