★年金積立金を株投資に使う事を正当化した朝日新聞の衝撃-(天木直人氏)

ここのところ株価の先行きが不透明になってきた。

 しかし、それは当然だ。

 米国の行き過ぎた金融資本主義そのものが、

不透明さを利用して巨額の資金を手にしているからだ。

 株価が安定しては儲けにならないのだ。

 株価は、上げ下げしないと意味はないのだ。

 投資会社はつぶれてしまう。

 だから、そのような株価の値上がりを期待して景気回復を期待するアベノミクスが不健全なのだ。

 しかも株価の高値を維持するために公的資金を投入する。

 それも、こともあろうに我々の大切な年金積立金を投入する。

 いくら何でも禁じ手だろう。

 しかし年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)なるものをわざわざつくって行う。

 独立行政法人と仰々しい名前をつけてごまかしているが、かつての特殊法人、

つまり政府の下部組織である。

 そのGPIFが8兆円もの損失を被ったと報じられたのがついこの前だ。

 いまではその損失はもっと広がっているに違ない。

 それでも誰も責任を問われない。

 これほど国民を馬鹿にした事はない。

 ところがそれを弁護している記事を見つけた。

 それが12月12日の朝日新聞の質問応答コラ「いちからわかる!」だ 

 7-9月期に約7・8兆円の赤字が出た事について、こう書いている。

 「積立金の資産は将来の年金支払いを見据えて長期間投資するものだから、一喜一憂すべきでない」と。

 そして、そもそもなぜ株式運用を始めたのか、という問いに、次のように答えている。

 「少子高齢化が進んで保険料を払う現役世代が減り、

(その一方で)年金を受け取る高齢者が増えることで、将来の年金財政が苦しくなる。

政府が調べたら、株への投資を増やさないと、

年金の支払いに必要な利益を確保できないという試算が出た」と。

 「株にはリスクがあるが、より多くの利益を得られる可能性のあるから」株に投資したのだという。

 これは、まさしく安倍政権の受け売りである。

 安倍暴政を批判、監視すべきメディアが、我々の年金積立金の株式投資を推奨しているのである。

 読売や産経のような安倍御用新聞ならまだわかる。

 天下のリベラル新聞である朝日が書いているのだ。

 しかも久永隆一という記者の署名入りコラムである。

 朝日新聞は開き直ったごとくだ。

 久永隆一という記者も、それを掲載した朝日新聞も、大した度胸である。

 それとも、何も知らない読者向けの質問コーナーであるから、

みなその通りであると思うだろうと、たかをくくっているのだろうか。

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