★最新鋭装備を配備したから思いやり予算を増やせという米国ー(天木直人氏)

思いやり予算をめぐる日米交渉では、どのようなやり取りが行われているのか、

まったく国民には知らされないままだ。

 どの国会議員も政府に質問しようとしない。

 メディアも書こうとしない。

 伝えられるのは、前年並みで決着する見通しになったという事ばかりだ。

 そんな中で、報じられるやりとりの一端として、

「日本は安保法制の成立によって自衛隊の海外協力ができるようになったから、

思いやり予算を減らしたいと日本が求めたのに対し、米国が応じなかった、というのがある。

 それについて私は書いた。

 こんな米国の言い分を黙って受け入れるのは噴飯物である。

 なぜならば安保法を強行採決した時の安倍政権の言い訳が、湾岸戦争のトラウマだったからだ。

 すなわち、カネだけ出しても評価されない。

自衛隊が米国と共に戦う事が出来るようにしなければならない。

 それが集団的自衛権の行使容認、つまり安保法の強行採決の理由だったはずだ。

 ところがそれがまったく米国に通じなかった。

 日本側の勝手な解釈だったことが明るみになったということである。

 そう私は書いて思いやり予算交渉の対米従属ぶりを批判した。

 そして今度は、オスプレイやイージス艦である。

 12月12日の毎日新聞がこう書いている。

 「米側はリバランス政策に基づき、

在日米軍基地にオスプレイやイージス艦など最新鋭装備を配備したことに伴う負担増を求めた」と。

 こんな馬鹿な話はない。

 そもそもリバランス政策とは米国が言い出したことだ。

 しかもリバランス政策は米国のためのアジアにおける防衛政策の変更である。

 おまけに、在日米軍は日本を守るものではない事も明らかにされている。

 それだけではない。

 最新鋭兵器のオスプレイやイージス艦は、

日本(自衛隊)も巨額な予算を支払って米国から買わされている。

 その上で、さらに思いやり予算までも増やせというのは、おんぶにだっこだ。

 よくもこんな交渉が行われているものだ。

 しかも、米側は微増ではまだ足りないと言って、交渉は継続中だという。

 とんでもない話である。

 思いやり予算を官僚たちだけで決めさせてはならない。

 いまこそ日本国民の監視の下で、国民的合意を得て決める時である。

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