★慰安婦像の撤去どころではない慰安婦歴史館の開館ー(天木直人氏)

大手メディアは書かないが、きょう12月6日の地方紙(下野新聞)が大邱発共同として書いた。

 韓国南東部大邱市の中心部で12月5日、

「日本軍慰安婦歴史館」の開館式が行われ、

出席した女性家族省の権容賢次官が次の通り強調したと。

 「(朴槿恵)大統領は歴代のどの政権よりも日本との活発な交流を望んでいるが、

慰安婦問題が解決しないために動けずにいる」と。

 「日本が問題を認めて被害者にわび、後世に教育するべきだというのが政府の立場だ」と。

 安倍首相はこのメッセージを何と聞いただろう。

 11月2日に行われた3年ぶりの日韓首脳会談にこぎつけたわけで、

いわゆる少人数の秘密会談で、お互いに外に出す事は止めようと釘を刺した上で、

安倍首相は朴槿恵大統領にみずからこう要求した。

 まず韓国側は慰安婦像を撤去しろ、それが今後の交渉の大前提である、と。

 この仰天発言を朝日がスクープ報道し、我々の知るところとなった。

 それに対する朴槿恵大統領の返答は、朝日のスクープにも書かれていない。

 しかし、この権容賢次官の挨拶が、まさしくその答えだ。

 このままでは、韓国慰安婦とその支持者たちの抗議行動を、

韓国の大統領として、止めたくても止められない、

安倍首相の謝罪と補償が大前提だ、そう返答したに違いない。

 日本のメディアが報じることとは正反対に、

3年ぶりの日韓首脳会談は完全な失敗に終わったということだ。

 慰安婦撤去どころではない。

 今度は日本にとってもっと耐え難い「日本軍慰安婦歴史館」の開館である。

 安倍首相が安倍首相でいる限り、日韓関係の改善は望めない。

 日本のメディアが書くべきはその事である。

 日韓和解の道を誰もが望んでいるというのに、

わざわざそれを自らの手でぶち壊し、

日本の恥を歴史的に残すことになる安倍首相の罪は、あまりにも大きい。

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