★安倍政権をブラックジョークと言った竹内のブラックジョークー(天木直人氏)

一票の格差を論じるきのう11月28日の朝日新聞のオピニオン欄「耕論」で、

元最高裁判事の竹内行夫氏が述べていた。

 自分は、2009年の衆院選を「違憲状態」とした2011年の大法廷判決の多数意見に賛同した

判事のひとりであると。

 外務事務次官から最高裁判事に天下り、名誉、栄達を極めた官僚が、

自由の身になったとたん、世論に迎合して格好をつけている言葉だ。

 彼はさらに格好をつける。

 この種の訴訟はいまや国政選挙後に必ず提訴されているというのに、

選挙によって選出された議員で構成された国会や、

その国会で選ばれた内閣が、何の支障もなく重要な国政を続けらているということを、

もっと国民は問題にしなくてはいけないと。

 よくもそこまで偉そうに格好をつけられるものだ。

 しかし、ここまでは、まだ笑って読み過ごす事が出来る。

 私が驚いたのは、解釈改憲を行った安倍政権を次のような言葉で批判しているところだ。

 「憲法9条についての長年の解釈を変更して、

限定的とはいえ集団的自衛権の行使が可能であるとした閣議決定は、

最高裁で違憲状態にあるとの判決が下された衆院選の結果成立した政権が行ったものです。

重大な憲法解釈の変更を行ったのが、『違憲状態』とされた選挙の結果成立した政権だったことに、

ブラックジョークのような感じがするのは私だけでしょうか・・・」

 これこそがブラックジョークだ。

 竹内氏はブッシュのイラク戦争にいち早く支持表明をした小泉政権下の外務事務次官だ。

 あの攻撃が国際法違反であり、

その米国のイラク攻撃に自衛隊を派遣までして協力したことが違憲である事を、竹内氏は認識していた。

 それにもかかわらず、それを黙認し、

イラク戦争を支持してはならないと進言した私に、こう言って辞職を迫った。

 あのような公電を打ったぐらいだから覚悟は出来ているだろうな。

 好きな事を言いたいなら外務官僚を辞めるしかない。

 そのほうが君のためだ、と。

 その竹内氏が、違憲を知っていながら保身の為に口をつぐみ、

最高裁判事に天下り、任期を全うし、すべてが終わって後で、

これまでの自分の言動を棚に上げて、正義の人のようにふるまう。

 これこそがブラックジョークだ。

 世間の目をごまかせても、同じ釜の飯を食った同僚の私をごまかすことは出来ない。

Reply · Report Post