★首脳会談の発表でプーチンに先を越された安倍外交の体たらくー(天木直人氏)

これもまた、嘘やごまかしは外交には通用しないということの例だ。

 きょうの各紙が報じ、朝5時のNHKが報じた。

 プーチン大統領が、G20の際に日ロ首脳会談を行うと、発表したと。

 これには驚いた。

 なぜなら日本の外務省はまだ正式に発表していないからだ。

 首脳会談の日程発表は、同時に行うことが外交の常識だ。

 なぜプーチンは先駆けて発表したのか。

 それは安倍首相との会談を、プーチンは安倍首相ほど重視していないからだ。

 きょう11月14日の朝日新聞がそれを教えてくれている。

 今回の日ロ首脳会談では、プーチン訪日の年内見送りを確認するという。

 それはそうだろう。

 いまのプーチンはそれどころではない。

 ISによるロシア機爆破に次いでドーピング疑惑だ。

 なによりも米国との関係修復で頭がいっぱいのはずだ。

 もちろん、安倍首相もそれは分かっている。

 いまはプーチンとの関係改善を図るタイミングではない。

 これ以上オバマの不信を買ってはいけないし、プーチンの評判は悪くなる一方だ。

 だから今度の日ロ会談は中身がまったくないものになる。

 もちろん北方領土問題など話し合うようなものにはならない。

 しかし、プーチンとの緊密な関係を売り物にきた安倍首相だ。

 北方領土問題は解決すると行って来た安倍首相だ。

 そんな対ロ外交を頓挫させることは出来ない。

 本当は何も成果が無い事を知っているのに、

ごまかしの対ロ外交を日本国民にアピールしてきたのが安倍首相だ。

 だから今度の日ロ首脳会談をどのようなものと位置付けて発表すればいいのか。

 そのこと頭を痛めている間に、さっさとプーチンに発表されてしまったのだ。

 ごまかし外交のツケが、今度のプーチンの一方的発表にあらわれたというわけだ。

 こんなごまかしを続けていると、いまに日本外交は、誰からも信用されない、

取り返しのつかないことになるだろう。

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