★外務省が安倍政権に外交を丸投げしている動かぬ証拠ー(天木直人氏)

きょう11月2日の毎日新聞「風知草」で、

山田孝男氏が、ユネスコの南京大虐殺の世界記憶遺産登録について、わけのわからない事を書いている。

 言い過ぎは禁物だが、沈黙が無難というわけでもない、と。

 菅官房長官が分担金、拠出金の支払い停止に言及した事に対し、一定の評価をしているのだ。

 私がここで言いたいのは、山田孝男氏のそのような菅官房長官に対する好意的評価の事ではない。

 この発言は、菅官房長官みずからの判断で行われた発言である事を言いたい為の、

次のような舞台裏の暴露である。

 すなわち、菅官房長官が山田孝男氏に自慢げに語ったという舞台裏は次の通りだという。

 外務省が記者会見用にあらかじめ用意した「応答要領」には、次の三通の選択肢がならんでいたという。

 1。分担金に全く触れない

 2。支出留保を婉曲的に示す

 3。支払い停止の可能性を明確に発言する

 そして菅官房長官は迷わず3。を選んだという。

 この菅官房長官の判断を、「カネを絡めた反撃の評価は分かれた」という表現で、

山田氏は一定の評価をしている。

 私は菅官房長官の発言を批判した。

 その是非をここでは問わない。

 私が驚いたのは、外務省が自らの方針を示すことなく、

選択肢を菅官房長官に丸投げしていたという事実である。

 おそらく今の外務省はすべてがそうなのだろう。

 私が外務省にいた時は、こんな事はあり得なかった。

 外務官僚が方針を決めて、それを外務大臣や首相に言わせようとした。

 もちろん外相や首相の意向で変わることはあった。

 しかし、少なくとも外務省の方針は示した。

 斉木次官の下の今の外務省は、ことほど左様に安倍政権に外交を丸投げしているに違いない。

 恐ろしいまでの外務官僚の安倍政権に対する従属である。

 外務省崩壊である。

 日本外交が行き詰まるはずである。

 それを示してくれた山田孝男氏の「風知草」である。

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