★慰安婦像を各地につくらせた安倍首相の責任は万死に値するー(天木直人氏)

慰安婦像がソウルの日本大使館の前にはじめてつくられた時(2011年12月)、私は書いた。

 これを放置してはいけないと。

 慰安婦像を撤去させるために、

日本政府は韓国と慰安婦問題についての根本解決を、すべての外交に優先して行えと。

 あの時は野田民主党政権が出来て間もない時だったが、

野田民主政権はなんら有効な手を打てないまま安倍政権に代り、

そして安倍政権の間違った歴史認識が、慰安婦問題をさらにこじらせた。

 きょうの各紙が報じている。

 いまや慰安婦像は韓国の各地につくられるようになったと。

 そこまで広がってしまったのだ。

 おまけに韓国ロビーによって米国にまでつくられるようになった事を、われわれは知っている。

 あたかもナチスのホロコーストのごとく、日本の過去の誤りが世界中に、

負の遺産として残り続ける事になる。

 左翼的思想の者たちは、二度と間違いを起こさせないために、

永久に記憶にとどめる事はいい事だと主張する者がいる。

 私はこの考えを取らない。

 性奴隷とまで呼ばれる過去の誤りを、未来の子供たちにも想起させ、

永遠に罪をかぶせるのは、決して日本の為にならない。

 それを避けるためにも、日本の指導者たちは、

歴史の一時期におかした間違いを認め、正しい解決策を提示し、

それと引き換えに犠牲者とその国に対して和解と未来志向の関係を求めるべきなのだ。

 日本がそこまでの政策を取ってもなお慰安婦像を撤去しないようなら、

その時は批判されるのは彼らの方だ。

 長い歴史の中で、戦争という大きな誤りをおかし、

そしてその戦争につきものの人権侵害という誤りをおかすのも、

残念ながら、古今東西、すべての国にわたる誤りだ。

 だからこそ、誤りを素直に認め、謝罪し、和解の精神で未来志向の関係の構築に

専念しなければいけない。

 その真逆を行っているのが安倍首相であり安倍政権である。

 ここまで慰安婦像をつくらせ、

末代まで日本の恥を世界にさらす愚をおかした安倍首相の責任は万死に値する。

 その安倍首相が、11月2日に日韓首脳会談が実現したといって、

まるで外交成果のようにふるまっている。

 しかし、その日韓首脳会談の大きなテーマが慰安婦問題だ。

 そして安倍首相は、慰安婦問題について何ひとつ考えを変えず、

有効な解決策を提示するわけでもなく、日本の立場を理解してもらうという。

 そんな日韓首脳会談に何の意味があるというのか。

 慰安婦問題の解決を長引かせるだけだ。

 そんな暇があったら、国内の叡智を集めて解決策を見つけるべきである。

Reply · Report Post