★ユネスコ拠出金を見直すと公言した菅官房長官の大失策ー(天木直人氏)

中国が申請した南京大虐殺の資料がそのままユネスコの世界記憶遺産に登録された。

 安倍政権の番頭である菅官房長官としては頭に湯気が立つほど腹立たしかったのだろう。

 しかし、怒りにまかせてユネスコの拠出金を削減、停止する、

などということを記者会見で公言したのは大失策だった。

 そもそも、中国がここまで歴史認識問題を政治化するようになった原因は、

安倍政権の誤った歴史修正主義の言動にある。

 そして、中国のそのような動きを阻止したければ、外交戦で行うべきだ。

 今度のユネスコ登録も、いきなり出た話ではない。

 これまでのユネスコの場における外交交渉で阻止すべきであった。

 外交努力をしなかったとすれば怠慢であり論外だ。

 もし外交努力をしたけれど阻止できなかったとすれば、それは自らの外交敗北である。

 それを、事もあろうに分担金を削除、あるいは停止すると口走った。

 しかし、逆効果だ。

 ユネスコには中国がついている。

 今の中国はかつての中国ではない。

 今の中国なら言い出しかねない。

 日本のユネスコ分担金ぐらいは中国が負担すると。

 日本などユネスコにとって不要だということになる。

 もちろん日本の国連安保理常任理事国入りなど論外だ。

 菅官房長官は松岡洋右の国連よさらばを真似てはいけない。

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