★東京五輪エンブレムの迷走はあの時の状況とそっくりだー(天木直人氏)

疑惑が指摘された時点で誰もがダメだと内心思っていたに違いない。

 ところが政府の関係者は誰もそう決断しなかった。

 政府関係者もみな内心そう思っていたのではないのか。

 しかし、だれも白紙撤回を言い出さなかったのだ。

 それは、負けるとわかっていて真珠湾攻撃に踏み切ったあの時と全く同じだ。

 武藤敏郎という東京五輪大会組織委員長の記者会見を開きながら、つくづく思った。

 この期に及んでなお、自己弁護している。

 誰もが認めた有能な大蔵次官だった武藤氏だったが、

民主党と自民党の政争のあおりをくらって日銀総裁の座を棒に振った。

 その同情人事でもないだろうが、

森喜郎元総理に乞われて就いた東京五輪大会組織委員長であったが、

迷走の責任を取らされるとは夢にも思わなかっただろう。

 しかし、その責任の取り方は、言い訳と自己弁護の官僚そのものだ。

 何から何まで今の日本を象徴しているような五輪エンブレムの白紙撤回騒動である。

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