★安倍談話をこき下ろすより、褒め殺して活用すべきであるー(天木直人氏)

8月21日の東京新聞「本音のコラム」で、

佐藤優氏が「安倍談話と沖縄」と題して次のように書いていた。

 安倍首相は8月14日の談話で「植民地支配から永遠に決別し、

すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない」と述べた。

この文言が今後、沖縄との関係で重要な政治的意義を帯びることになると思う、と。

 すなわち、今後もし安倍政権が辺野古移設を強行しようとすれば、

沖縄は「植民地支配から永遠に決別する」という安倍首相の公約の履行を

要求していけばいいというのだ。

 それがかなわなければ沖縄は自己決定権の行使を本気で考えればいいのだという。

 まさしく正論である。

 私が発起人、共同代表の一人になっている「村山談話を継承・発展する会」のメンバーの

ほとんどは左翼系の人たちだが、彼らは一斉に安倍談話をいかさまだと強く批判している。

 安倍談話がいかさまであることは一目瞭然だ。

 こころにもない事を言葉でごまかしている。

 しかし、そのいかさまで、ごまかしの談話でも、

そこに書かれている言葉は公約となって安倍首相を縛る。

 迷走の末に安倍首相は村山談話を引き継がざるを得なかった。

 この事の持つ意味ははかり知れないほど大きい。

 たとえ安倍首相が自らの言葉で村山談話を引き継ぎますと明言しなかったとしても、

そして安倍首相の本心はいまでも村山談話の否定にあるとしても、

安倍首相は談話の中で、村山談話は歴代の内閣に引き継がれている事を認めたのである。

 侵略と植民地支配の反省、おわびの四つの言葉を盛り込んだのだ。

 その安倍談話に少しでも疑念を抱かせる言動を、

今後安倍首相が少しでもするようなら、

その時こそ内外の批判は頂点に達し、安倍首相は失脚せざるを得ないだろう。

 そうなのである。

 安倍談話の評価はすべて今後の安倍首相の政策にかかっているのだ。

 我々は安倍談話をいたずらにこき下ろすのではなく、

むしろ褒め殺して、村山談話を国是として発展させて行くべきなのだ。

 その絶好のチャンスを手にしたと考えるべきである。

 佐藤優氏の提言はまさしく正論である。

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