★安倍政権の支持率低下と、自公政権の動揺ー(孫崎享氏)

A支持率低下の動向

安倍政権は不思議な政権であった。

 原発再稼働、秘密保護法、最近までの集団的自衛権、

TPPと重要な政策に関して、個別には不支持が多かった。

しかし、安倍政権全体となると高い支持率が続いた。

その一因は、安倍政権の大手マスコミへのアメとムチの政策が成功していたのが大きい。

 しかし、多くの人が疑問を持っている中で国会の憲法関連審議で、

自民党推薦の長谷部教授が集団的自衛権の違憲を述べた所から、流れは一気に変わった。

 支持率が急速に低下した。

  メディア    実施日       支持率      不支持率

・時事      8月7~10日     39.7%     40.9%

・共同      7月17、18日   37・7%   51・6%

         8月15,16日   43・2%   46・4%

・朝日      7月18、19日   37%     46% 

・毎日      8月8、9日     32%、    49%

・読売      7月24~26日   43%     49%

・NHK     8月7-9日     37%     46%

・NNN(日テレ)8月7日~9日   37.8%    46.7%

これら調査で明確なように不支持が支持を上回ってきた。

かつ毎日新聞は支持率32%と20%台に入りそうな様相を示している。

国民の集団的自衛権の関連法案支持はさらに低く、

これから参議院の採決にむけ、一段と低くなるのが予想される。

B:支持率低下の影響

・安倍晋三首相は戦後70年談話で、

内閣支持率の低下など政権基盤の揺らぎを背景に「安倍カラー」を抑制

村山談話で「植民地支配と侵略によって、

アジア諸国に多大の損害と苦痛を与えた」とした部分は引用しなかった。

代わりに、「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、

国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」と記述。

侵略をどう認識しているかには触れなかった。

「植民地支配」も「永遠に決別」と位置付けたが韓国への「植民地支配」には

踏み込まなかった。 「反省」と「おわび」についても、

「歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないもの」とはしたものの、

自ら「おわび」する形にはならなかった。

将来の日本人に「謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」との表現もある(毎日)。

・岩手知事選での自民党候補擁立取りやめ

「岩手県知事選出馬表明の平野参院議員立候補取りやめで

平野氏支援の自民党谷垣幹事長が”おわび行脚”、出馬取りやめで、

知事選と平野氏辞職に伴う参院補選での”連敗”恐れた自民党が

出馬辞退を促していたが、経緯説明はなし」(読売)。

・集団的自衛権、創価大学有志が池田大作先生の理念を

我が人生の根幹に据え安全保障関連法案への「反対」を表明し署名開始 

現時点、840名署名。

「圧迫も屈せず民衆の為に声をあげること。これこそが創価教育の魂だと私達は信じます」

14日には840名署名。17日には1222名。

創価学会婦人部内に反対の勢力が強いとされている。

・自衛隊内部

防衛省統合幕僚監部の内部文書

「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)及び平和安全法制関連法案について」

の扱いめぐり国会審議ストップ中。

朝生の討論での小池議員(共産党)、

辻本議員の発言では「自衛隊内部に集団的自衛権の扱いに不満の人々がいる」、

これらからの情報提供のような印象発言。

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