★安倍首相談話、「積極的平和主義」とは「1984」の「戦争は平和」の世界。
安保法案で違憲の政権が「法の支配を重んじ」だと!ー(孫崎享氏)

14日、安倍首相は談話を発表した。

「侵略」という表現を盛り込まないとか、「慰安婦問題」を避けるとか。

村山・河野談話を継承しないとかさまざまなことが言われたが、

多くのものは、表現が異なるにせよ、盛り込まれている。

・戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、

忘れてはなりません。

(別の箇所)戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、

この胸に刻み続けます。

・何の罪もない人々に、

計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。。。。事変、侵略、戦争。

いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、

もう二度と用いてはならない。先の大戦への深い悔悟の念と共に、

我が国は、そう誓いました。

・自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、

ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。

七十年間に及ぶ平和国家としての歩みに、

私たちは、静かな誇りを抱きながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります

・我が国は、先の大戦における行いについて、

繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。

その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ

東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が

歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、

戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。

こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。

 そして将来に向けて次を述べている。

・法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。

この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります。

我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、

その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、

世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。

 部分的に「そしてその先の世代の子どもたちに、

謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。

しかし、それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて、

過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。

謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。」が

相反することを示唆しているが、後者に重点があれば共用できるであろう。

 将来に関して語るとしているが、その部分は多くない。

 この中で気になる点は次である。

 今回も「積極的平和主義」をうたった。

 この言葉は「平和という目的を」「平和的手段を積極的に活用する手段」とみられる。

 しかしそうではない。

 「平和という目的を」、

これまで利用しなかった「武力行使」という手段をもちるという積極手段で

達成することを意図している。

 ジョージ・オーエルが、

「戦争は平和だ」を全体主義的国家のスローガンとして取り上げているが、まさにそうだ。

 しかし、イラク戦争、アフガニスタン戦争、シリア攻撃などをみれば

武力は対象地域と世界全体の不安定に貢献することを理解すべきだ。

 渡辺謙氏の発言こそ、今国民が噛みしめる言葉ではないか。

渡辺謙 ‏@harryken311 · 8月1日  東京都 世田谷区

一人も兵士が戦死しないで70年を過ごしてきたこの国。

どんな経緯で出来た憲法であれ僕は世界に誇れると思う、戦争はしないんだと!

複雑で利害が異なる隣国とも、ポケットに忍ばせた拳や石ころよりも

最大の抑止力は友人であることだと思う。

その為に僕は世界に友人を増やしたい。絵空事と笑われても。

 また、法を守るというセリフはどこから出てくるのか。

 長谷部早稲田大学教授の表現によれば、

「憲法学者の約95%が違憲とみなしている」、

そして過去の内閣法制局長官、大森氏や宮崎氏が違憲といっている

集団的自衛権関連法案を強引に進めようとしている安倍政権から、

「法の支配を重んじ」という言葉が、どこから出てくるのか。

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