★岸田外相の無能さを隠すウソ説明とそれを垂れ流すウソ報道ー(天木直人氏)

これも政府のウソ説明とそれを鵜呑みにして右から左へ垂れ流すウソ報道の例だ。

 岸田外相がアセアン地域フォーラムに出席し、

そこで北朝鮮や中国の外相と会談した内容が盛んに報じられている。

 それを見る限りは岸田外相は八面六臂の活躍をしているがごときだ。

 しかし、その報道をよく読むと、大きなウソがある。

 ウソというのが言い過ぎなら、

あたかも成果があったように巧妙に作られた外相会議とその報道である。

 たとえば北朝鮮外相との会談だ。

 日本人拉致被害者らの調査結果を速やかに報告するように求めたという。

 しかし、これはあくまでも岸田外相が日本人記者に説明している内容に過ぎない。

 実際に北朝鮮外相とどういうやり取りが行われたかについての裏は全く取れていない。

 そもそも拉致問題の調査結果は1年前のストックホルム合意の同床異夢にあった。

 すなわち日本側は拉致被害者全員の安否情報を最優先し、

それを求めることを要求したが、

北朝鮮側は調査対象を広げて拉致被害者の安否情報についての調査結果は

重きを置かなかった。

 それをあたかも拉致被害者調査で進展があったかのように

国内的にごまかしたツケが回って、安倍政権は動きがとれなくなった。

 北朝鮮は拉致家族の調査結果を延期しているのではない。

 従来の結果以上のものはもう出てこないと、とっくの昔に返答しているが、

日本側がそれでは困るから、それを受け取らないだけだ。

 日本側にとって満足のいく返答を早く寄越せと言う日本側に対し、

北朝鮮はそれは約束とは違うと言っているに違いない。

 こんどの北朝鮮外相との会談でも、先方はそう言ったと岸田外相は間接的に認めている。

 何の成果もなかったのに、日本の懸念を伝えたというアリバイづくりをしただけだ。

 中国の王毅外相との会談もそうだ。

 東シナ海ガス田開発について中国側の一方的な開発を止めるように

申し入れたことになっているが、王毅外相に一蹴されてる。

 それは当然だ。

 そもそも共同開発の合意そのものがとん挫したままだった。

 その主たる責任がどちらにあるにせよ、

とん挫ままにしてきた日本の怠慢は間違いなくあった。

 今岸田外相が行うべきは、日本の国内向けに中国に抗議をすることではなく、

一日も早い協議再開を王毅外相から取りつけることだ。

 それができないまま、

安倍談話で歴史に責任ある態度で正しく向かい合ってほしいと、

逆に王毅外相に要望される始末だ。

 そして、そのような要望をされても、すべては安倍首相の判断だから、

岸田外相は何も答えられない。

 まことに無能な岸田外相の外交だけれど、

それを意味あるものにしなければいけない岸田外相と、

それにつき合わざるを得ない日本のメディアは苦しんでいる。

 それだけの話である。

 それを白状しただけの報道である。

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