★TPP会合月内開催は困難と言い出した甘利大臣の裏を読み解くー(天木直人氏)

きょう8月7日の各紙が一斉に報じている。

 甘利大臣はきのう8月6日、官邸を訪れ、安倍首相に対し、

TPP閣僚会合の月内開催は困難になったと報告したと。

 その理由として、急いで開いてまた失敗するより、

段取りをしっかり詰めて確実に処理できる状況をつくって開いたほうがいい、

そういう状況になりつつある、と報告したらしい。

 これに対し、安倍首相は「しっかりした道筋を描いて欲しい」と応じたという。

 これほどのウソはない。

 これほどのウソ報道はない。

 あれほど8月末会合の開催に期待を示した甘利大臣ではなかったのか。

 わずか一週間ほどで、それほど大きな情勢の変化があったというのか。

 そもそも甘利大臣に8月末にTPP会合を開いても

合意は無理だと判断する能力があるというのか。

 そしてまた、そんな報告を受けた安倍首相が、

怒りも不満も言わずに、おとなしく了承したというのか。

 私は、これは米国から通報された結果だと思っている。

 つまりウィキリークスのよる盗聴事件の発覚で

バイデン副大統領が謝罪の電話をかけてきたのは8月5日だった。

 しかし、謝罪だけで30分も電話するだろうか。

 もちろんそんなことはない。

 謝罪などしていないのだ。

 その時バイデンは盗聴問題で日米同盟を揺るがせてはいけないと言い、

そのついでに、ほかの主要案件について日本に米国の意向を伝えたに違いない。

 その一つがTPP会合出会ったに違いない。

 すなわち、バイデン副大統領は、米国はもはやTPP会合を急がない、

日本も先走ってまわりに誤解を与えるようなことは言うなと釘を刺したのではないか。

 そういえばすべてに合点がいく。

 甘利大臣が急に8月末の閣僚会合が困難になったと言い出したことも、

そしてそれに対して安倍首相が冷静に反応したのも、

すべては米国の判断と通報があったのだ。

 それをあたかも日本自らの判断のごとく記者に言うところが情けない。

 そんなウソをそのまま報じるメディアは安倍政権の使い走りだ。

 なにもかも、今の日本を象徴しているような甘利大臣のTPP閣僚会議、

月内開催困難という報道である。

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