★「ファイブ・アイズ」という英語圏盗聴網に監視される日本ー(天木直人氏)

どうやら米国の日本盗聴は、我々の予想をはるかに超えるほど、

広く、深く行われていたようだ。

 日本の官僚たちの対米従属ぶりも恥ずべきまでに、世界に暴露されているらしい。

 もし誰かがウィキリークスの告発した米国の日本盗聴の情報をすべて翻訳し、

そして解説してくれたなら、鈍感で寛容な日本国民も気づくだろう。

 何が日米同盟最優先だ、と。

 じつは私の近未来小説「アマル」の中の「ファイブ・ボーイズ」が書いたテーマこそ、これだった。

 その役割を私は天野に演じさせた。

 天野の様なジャーナリストが出て来ないものか。

 しかし、盗聴されているのは日本だけではない、

米国はすべての同盟国を盗聴しているではないか。

 そういう声が聞こえてきそうだ。

 そこが日本と英語圏同盟国の違いである。

 8月2日の東京新聞が見事に教えてくれている。

 カナダ、オーストラリア、ニュージーランドと英国、米国は、

ファイブ・アイズと呼ばれる通信傍受網(エシュロン)を張り巡らせ、

日本政府高官から盗聴した情報を共有しているのだ。

 ファイブ・アイズは第二次大戦中に英米が協力して進めた

日独の暗号の解読作業に端を発するという。

 それが戦後も続き、1946年に5カ国の間で秘密協定が結ばれ今日に至っている。

 在日米軍基地にエシュロンがあることは公然の秘密だ。

 ウィキリークスが暴露した米国による主要国への盗聴事件で、

英国語圏の外にあるフランスやドイツが激しく米国に抗議したのに対し、

日本は米国に確認中であるとしか言わない。

 そのまま泣き寝入りするのだ。

 そして、やがて何事もなかったかのように米国の日本盗聴暴露事件は

メディアから消えて行くだろう。

 どうしようもない日本である。

Reply · Report Post