【日本語訳】 VOGUE 8月号 ジュンス インタビュー②




記者:今年は、3回目の正規アルバムを発売し、今は6回目のミュージカル「デスノート」に出演している。そしてなによりも、6年ぶりに音楽番組「EBSスペース共感」に出演した。このインタビューの準備をしながら、その6年間歌った曲を聴いてみたが、とても切ない感じがした。一曲一曲、歌詞を一行一行、切なく歌っている、と思った。

ジュンス:確かに辛い期間だったが、実は僕の人生自体は幸せだった。自分の意志でテレビに出てないわけじゃなくて、出演できない何の理由もないのに出ることができないこの状況は、今ももどかしい。だけど、だからといって僕が毎日不幸だったわけではない。「デスノート」にも法律と正義の話が出てくるけど、本当に法律がすべてではないのだ。法律が認めてくれても、それに何の意味があるのかな。目に見えない勢力が邪魔しているのに。こんなふうにばかり考えてしまって、自分の人生がめちゃくちゃになったときもあった。たぶん1年間ぐらいはそうだったと思う。

だけど、あのときが過ぎてから考えてみると、テレビに出ること以外は全部を得た気がする。特に、個人としてのキャリアを。僕がまだ東方神起にいたら、今のキム・ジュンスは存在しない。ミュージカルもおそらくやってないだろうし。実は、お金というものも、東方神起を出てから初めて稼いでみた(笑)。本当に。

そして、自立心も。なにかを自分で考え、つくっていく力も手にした。僕の夢を叶うことができるように新しい会社であるシーゼスが協力してくれたのもあるけど、今は責任感という意識がある。自分も気づかないうちに男になったとも言えるし。世間を知ることもできた。今となってはこうやって笑いながら言えるけど、裁判を14回も経験した20代が、どこにいるだろうか。法廷に立って、熱弁をふるったり。そういう一連のことを経験し、少しは大人になったかもしれない。こういう経験のすべてが自分の資産になったともいえる。だから僕の人生自体は、幸せだ。


記者:アイドルファンの影響力は、よく話題になるテーマだけど、キムジュンスのファンはその次元を超えてる気がする。JYJがテレビに出れなかったとき、ファンが直接、報道資料を作ってマスコミに配布したりした。言葉通り、ファンが自分のスターを守ったケースだと言える。

ジュンス:その凄さを、3年前から実感した。ファンがつくった奇跡だと思う。今になって思うと、話にならないことだ。 今の僕は、(人気の道から)降りる準備ができた。東方神起の頃に比べると、アルバムもコンサートも、数値的に減ったことを感じたし。テレビに出演できないという心配もあった。
なのに、不思議なのは、ソローアルバムを出したりコンサートをしたりすると、ずっと売り切れになったり、ミュージカルも売り切れになった。それを見て、僕が特別な愛をもらっていることを実感した。

記者:いくらトップスターと言っても、グループが解散したりソロー宣言をすると、反応がそれほどよくない場合が多い。なのにキム・ジュンスの場合は、今はファンとの絆が強くなったようにみえる。3回目のアルバムを発売したときファン達は、道を歩く人々に直接お花を配りながらアルバムのプロモーションをしたと聞いた。

ジュンス:正直、東方神起の頃はファンは怖い存在だった。悪いという意味ではなくて、私生活を追っかけるファンがあまりにも多かったから。でも今は、ファンと一緒に歩んでいる気分だ。本当に家族のように。ファンがいなくても、テレビに出ていたらアルバムは発売できる。でも僕は、ファンがいなくなるとアルバムを出せない。公演もできなくなる。
ミュージカルを始めてから、新しいファンも増えた。韓国でソローとして1万席以上を埋められる人は、3~4人ぐらいだといわれているが、僕がその一人だという話を聞いた。奇跡だと思う。

記者:4月にオンエアされた「EBSスペース共感」も観た。6年ぶりの音楽番組だったため、かなり緊張しただろうと思う。「上り坂」を歌うときは泣いてしまって、中断してからもう一回歌ったけど。

ジュンス: その涙は、今までテレビに出れなかったことへの惜しさの涙ではなかった。ファンへの感謝の気持ちのほうが大きかった。歌詞に、「一歩一歩、これでまだ一歩だけど、あまりにも遠い先は考えないで」という歌詞があるけど、あの歌詞がまさに自分の気持ちだった。そうやってここまで来た。
ミュージカルをしながら、「結局ここまでだろうな」、コンサートをしながらは、「本当にこれがうまくいくかな」と思ったけど、とにかくそうやって6年間やってきた。テレビ活動ができないと、自分の人気を数値で確認することもできないから。
時間が経って、いつかファンの方々がたくさんファンをやめるときが来ても、たとえ赤字になるとしても、僕は小さい劇場で、歌いたい。そうすることで僕の気持ちも楽になると思うから。


記者:東方神起を出てから6年が過ぎた。今になって考えてみると、どういう気持ちなのか。

ジュンス: 東方神起は、グループとしてはアジアでトップだったし、いつも話題になったけど、メンバーの一人ひとりは、なんでもなかった気がする。もしずっと東方神起にいたら、僕はなんでもない存在だったはずだ。断言できる。当時、「東方神起は凄い」ということは分かっていたけど、「シアジュンスは凄い」とは、たった一度も思ったことがない。だから自己尊重感、自立心もなかったし。
もちろん芸能人は常に謙遜じゃないといけないし、過度な自慢は控えるべきだが、アーティストとしてある程度自分を信じる必要はある。なので、そういったものが満たされた今のほうが幸せだ。自分で自分を見ても、今がもっと男として成長した気がするし。当時はあまりにも内向きな性格だったので、新しい人と知り合うのも怖かった。だけど今はむしろそれを楽しんでいる。

記者:今年で30歳になったが、30代を迎えた男として、描いている人生図はあるか。

ジュンス: いざ30歳になった今は、良い気分だ。28~29歳の頃は、「もうそんな歳?」という反応だったけど、30歳ですというと、「すごく童顔ですね」と言ってくれる(笑)。アイドルの歳という観点からするとかなり歳とったけど、男として、特にミュージカル俳優としては、今からがスタートだ。自分で描いた男性像に一歩近づけた気分だし、ミュージカル俳優としても、あまりにも若いと演じる役にも限界がある。けど今はそんなことないから、むしろ嬉しい。あと、30歳になると、女性にももっとモテる、ともいうし。(記者の年齢を聞いてから)ヒョン、そうですよね?(笑)。20代の男にありがちな見栄えとか、根拠のない勇気とか、男にとって要らないものが全部抜けて、必要なものだけが残っていく気がする。もっと賢明になるし。だから僕は今、幸せだ。



VOGUE 2015年8月号から
翻訳:ざんぬ


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