★凄くなってきたぞ。著名学者が結束し、
安保関連法案廃案を求める声明。でも朝日は小扱い。
「憲法違反」「廃案求める」部分は報道せずー(孫崎享氏)

A:事実関係

 15日配信毎日新聞は

「<安保関連法案>「反対する学者の会」が廃案求める声明」の標題の下に下記を報じた。

 ◇呼びかけ人に60人以上、賛同の学者・研究者2700人

 国内の幅広い分野の研究者でつくる「安全保障関連法案に反対する学者の会」が

15日、法案は憲法9条に違反するとして廃案を求める声明を発表した。

会は11日に発足。呼びかけ人には法学や政治学、歴史学、天文学などから

60人以上が名を連ね、賛同する学者・研究者は2700人近くに上る。

 呼びかけ人で15日に記者会見した学習院大の佐藤学教授(教育学)は

「再び若者を戦地に送り、殺し殺される状況にさらすことを認めることはできない」と強調。

法政大の山口二郎教授(政治学)は「安倍政権の暴走に批判を加えなければ、

学問の存在理由はない」と訴えた。

 ◇「安全保障関連法案に反対する学者の会」の呼びかけ人(50音順、敬称略)

青井未帆(学習院大教授・憲法学)▽浅倉むつ子(早稲田大教授・法学)
▽淡路剛久(立教大名誉教授・民法、環境法)▽池内了(名古屋大名誉教授・宇宙物理学)
▽石田英敬(東京大教授・記号学、メディア論)▽市野川容孝(東京大教授・社会学)
▽伊藤誠(東京大名誉教授・経済学)▽上田誠也(東京大名誉教授・地球物理学)
▽上野健爾(京都大名誉教授・数学)▽上野千鶴子(東京大名誉教授・社会学)
▽鵜飼哲(一橋大教授・フランス文学、フランス思想)▽内田樹(神戸女学院大名誉教授・哲学)
▽内海愛子(恵泉女学園大名誉教授・日本-アジア関係論)▽宇野重規(東京大教授・政治思想史)
▽大沢真理(東京大教授・社会政策)▽岡野八代(同志社大教授・西洋政治思想史、フェミニズム理論)
▽小熊英二(慶応大教授・歴史社会学)▽戒能通厚(早稲田大名誉教授・イギリス法、法社会学)
▽海部宣男(国立天文台名誉教授・天文学)▽加藤節(成蹊大名誉教授・政治哲学)
▽金子勝(慶応大教授・財政学)▽川本隆史(国際基督教大教授・社会倫理学)
▽君島東彦(立命館大教授・憲法学、平和学)▽久保亨(信州大教授・歴史学)
▽栗原彬(立教大名誉教授・政治社会学)▽小林節(慶応大名誉教授・憲法学)
▽小森陽一(東京大教授・日本近代文学)▽斉藤純一(早稲田大教授・政治学)
▽酒井啓子(千葉大教授・イラク政治研究)▽佐藤学(学習院大教授・教育学)
▽島薗進(上智大教授・宗教学)▽杉田敦(法政大教授・政治学)▽高橋哲哉(東京大教授・哲学)
▽高山佳奈子(京都大教授・法学)▽千葉真(国際基督教大特任教授・政治思想)
▽中塚明(奈良女子大名誉教授・日本近代史)▽永田和宏(京都大名誉教授、京都産業大教授・細胞生物学)
▽西川潤(早稲田大名誉教授・国際経済学、開発経済学)▽西崎文子(東京大教授・歴史学)
▽西谷修(立教大特任教授・哲学、思想史)▽野田正彰(精神病理学者)▽浜矩子(同志社大教授・国際経済)
▽樋口陽一(憲法学者)▽広田照幸(日本大教授・教育学)
▽広渡清吾(専修大教授・前日本学術会議会長、法学)▽堀尾輝久(東京大名誉教授・教育学)
▽益川敏英(京都大名誉教授・物理学、ノーベル賞受賞者)▽間宮陽介(青山学院大特任教授・経済学)
▽三島憲一(大阪大名誉教授・哲学、思想史)▽水島朝穂(早稲田大教授・憲法学)
▽水野和夫(日本大教授・経済学)▽宮本憲一(大阪市立大名誉教授・経済学)
▽宮本久雄(東京大名誉教授、純心大教授・哲学)▽山口二郎(法政大教授・政治学)
▽山室信一(京都大教授・政治学)▽横湯園子(前中央大教授、元北海道大教授・臨床心理学)
▽吉岡斉(九州大教授・科学史)▽吉田裕(一橋大教授・日本史)▽鷲谷いづみ(中央大教授・保全生態学)
▽渡辺治(一橋大名誉教授・政治学、憲法学)▽和田春樹(東京大名誉教授・歴史学)

B;評価

 学界の動きとしてはすでに、国会で審議中の安全保障関連法案は憲法九条に反し、

「戦争法案」と呼ばれていることには十分な根拠があるとして、

憲法研究者のグループが廃案を求めて三日に発表した声明は、

計百七十一人が呼び掛け人と賛同人に名を連ねた。

賛同人はさらに増える見通しで、グループは「全国の憲法研究者が危機感を抱き、

これだけの人々が名前を出していただいた」と話している。

・これに今回各々の分野で影響力のある学者が分野を超えて廃案を求めた意義は大きい。

・うねりが出てきた。

・大手メディアがどのように報ずるか着目してください。

 NHKは相当詳しく報じた。

 「安保関連法案 反対する学者が廃案求め声明」

 「後半国会の焦点となっている安全保障関連法案に反対する学者らが東京都内で会見し、

法案は憲法に違反しており、学問と良識の名において廃案を求めるなどと訴えました。

会見したのは、集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ

安全保障関連法案に反対する、さまざまな分野の学者や研究者で作るグループです。

この中で学習院大学の佐藤学教授が

「審議中の法案は、他国が海外で行う軍事行動に自衛隊が協力し、

加担するもので憲法9条に違反する。

学問と良識の名において断固として反対する」として、廃案を求める声明を読み上げました。

経済学が専門で青山学院大学の間宮陽介特任教授は、

「政府は違憲の指摘に対し『学者の論理だ』というが、

政治家の判断が常に正しいとはかぎらず、第三者がチェックすることが大切だ」と指摘しました。

また、国立天文台の海部宣男名誉教授は、

「科学も芸術も取り込まれた戦前の翼賛体制を反省していないのではないかと

民主主義の危機を感じている。

憲法学や政治学の問題と言って黙っているわけにはいかない」と述べました。

声明には、これまでに2700人余りの学者や研究者のほか、

一般のおよそ1800人が賛同しているということで、今後も訴えを続けていきたいとしています。」

 16日朝日(14版)は「研究分野またぎ学者ら反対声明」との表題の下に

「関連法案に反対する会を作った。

声明で“再び若者を戦地に送ることは認められない”と訴えた」として、

「憲法に違反している」「廃案を求める」という一番重要な部分は報じていない。

一応報じたという体裁は持っているが意義が分らない報道になっている。

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