★安保法制案議論では中国の脅威を訴えろと書いた長谷川幸洋―(天木直人氏)

やっぱり東京新聞の論説副主幹である長谷川幸洋氏は安倍政権の隠れ支援者だ。

 そう思わせる記事を今日発売の週刊ポスト6月26日号に見つけた。

 「長谷川幸洋の反主流派宣言」でこう書いている。

 自民党推薦の憲法学者までが安保法案は違憲だと国会で述べたことは

安倍首相の背中を鉄砲で撃ったようなものだと。

 そう同情した上で自民党の緊張のなさを批判し、

そして安倍政権はうろたえる必要はないと言わんばかりに、

既に田中耕太郎最高裁長官は砂川判決で次のように述べていると続ける。

 「もはや厳格な意味での自衛の観念は存在せず、

自衛は『他衛』、他衛はすなわち自衛という関係があるのみ」と。

 「自国の防衛を全然考慮しない態度はもちろん、

これだけを考えて他の国々の防衛に熱意と関心を持たない態度も、

憲法前文にいわゆる『自国のことのみに専念』する国家的利己主義であって、

真の平和主義に忠実なものとはいえない」と。

 補足意見まで引用して砂川判決を合憲論の根拠としている。

 砂川判決を合憲論の根拠に持ち出した高村自民党総裁も

驚くほどの最高裁判決至上主義者のごとくだ。

 しかし、私がもっと驚いたのは「中国の脅威」と向き合う議論こそ

政治家の役割だと主張しているところだ。

 すなわち、いま行われている憲法論議は、それでなくても小難しい。

国民はわかりやすい展開にこそ注目する、

そう述べた上で、中国の脅威をなぜもっとはっきりと自民党政治家は明言しないのか、

と言っているのだ。

 まるで安倍首相を支える右翼たちが言い出しそうな言葉だ。

 このような言説を堂々とメディアに書く長谷川幸洋氏を、

よくも東京新聞は論説副主幹として放置しているものだ。

 もっとも、東京新聞は中国の軍事覇権については一貫して批判的である。

 ここに東京新聞の限界がある。

 長谷川幸洋記者を使い続けることも頷ける。

 東京新聞では、安倍首相の憲法9条否定の暴挙は阻止できないということだ。

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