★翁長知事の米国との交渉は始まったばかりだ―(天木直人氏)

「知事が時間をかけて米国までいってきたのだから、

辺野古移設は唯一の解決策であるということも認識して帰ってこられたんじゃないか」

 これはきのう6月4日に菅官房長官が言い放った言葉である。

 米国政府と一緒になって辺野古移設を進めるのだからそれを止める事など出来はしないと

言わんばかりだ。

 安倍政権を支持する読売新聞なども、今度の翁長知事の訪米は不発に終わったと喜んで書いている。

 しかし。本当にそうなのだろうか。

 米国が譲歩し、安倍政権が翁長知事に屈する時が来る。

 そのためにあらゆる助言を伝えて行きたい。

 確かに今回の翁長知事の訪米で米国政府の対応は冷淡なものだったと思う。

 政府高官は会おうともせず、

出て来た二人が言ったのは辺野古移設が唯一の解決策だというこれまでの立場を繰り返した。

 記者の質問も、成果が無かったではないかと言わんばかりの質問をしている。

 しかし、私が注目したのはそこにはない。

 翁長知事の記者会見に見せた対応ぶりだ。

 米国政府(国務省、国防総省)の二人の対応が厳しいものであった事を率直に認めつつ、
国の仕組みは個人の思いを凌駕するものがあるからやむを得ないとした上で、
沖縄県民が反対する辺野古移設は無理だとはっきり伝えている。
マケイン議員に対しては工事を強行しても、節目節目で工事が進まなくなると警告し、
継続すれば安保体制に大きなリスクとなる、と脅かしている。

 私が感心したのは次のように記者会見を締めくくったところだ。

 「まったくの暗中模索の中から、一筋の光が見えてきた。

私たちが望んでいるものに近づいていけるような、そういう可能性をしっかりと感じている。

だんだんと整然とした動きが、県内にも、国内にも、そして国外にも出て来ている。大きな進歩だと思う}と。

 交渉が困難である事を認めているところがいい。

 それでいて、米国との交渉はこれが終わりではなく第一歩だと言っているところがいい。

 国外を味方につけようとしているところがいい。

 何よりも辺野古移設は無理だという事を米国に理解させるまで譲らないところがいい。

 正義が翁長知事の沖縄にある以上、この交渉は米国の負けだ。

 米国に従属するしか能のない安倍政権と官僚たちは、この時から、翁長知事の相手ではない。

 米国の命令で翁長知事の沖縄に従うようになって終わる。

 そういう時が来るまで、私はあらゆる助言を伝えて行きたいと思っている。

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