★暴政を止める最善の方法としての集団訴訟のすすめ―(天木直人氏)

きのう6月2日の東京新聞に二つの集団訴訟の記事を見つけた。

 一つは沖縄県与那国島の住民30人が、

陸上自衛隊が配備されれば戦争に巻き込まれるとして差し止め要求訴訟を起こしたという記事だ。

 もう一つは三重県松阪市の山中光茂市長が、

集団的自衛権行使容認の閣議決定やそれを可能にする安保法制は憲法違反であるとして

集団訴訟を行おうとしていると言う記事だ。

 そういえば、福島原発事故では、東電と国を相手取った損害賠償集団訴訟が提起され、

原発再稼働に反対する集団訴訟は全国で同時進行している。

 私はこれら集団行政訴訟こそ、住民、市民、国民が国家権力に対抗できる

最善、最強の手段であると考えている。

 私が集団訴訟にみずからかかわった最初のケースが2008年4月17日に

名古屋高等裁判所で違憲判決を勝ち取った自衛隊のイラク派遣差し止め訴訟であった。

 現在は砂川判決再審請求訴訟に、米国機密公電の原告側翻訳官として参加している。

 私はこれらの訴訟に加わって、

正しい訴えに対して裁判所がいかに対応に苦慮しているかを目撃して来た。

 それは単に国家権力の間違った政策を、

「法の支配」でかばい切れないという良心的苦悩だけではない。

 行政訴訟の数の多さに対応しきれないという物理的苦悩である。

 少なくとも訴訟が提起されている間は、その判決が下されるまでは、国の暴政は抑止できる。

 正しい行政訴訟を集団で提訴するこそ、

徒手空拳の我々が暴政を阻止する最善、最強の手段なのである。

 もちろん、そのためには訴訟を提起し、継続する専門家(弁護士)の協力が不可欠である。

 そのための最低限の経費は必要だ。

 それを関係者の善意を寄付で行われているのだが、

この集団行政訴訟を政党として全面的に支援する公党は未だ出て来ていない。

 新党憲法9条は弱者のための正しい集団行政訴訟を全面的に支援する政党である。

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