★ いまごろになってIAEA報告書について書いた朝日新聞-(天木直人氏)

私が東電福島第一原発事故のIAEA最終報告書について書いたのは、

5月25日のメルマガ第432号であった。

 この報告書は、原発再稼働を急ぐ安倍政権にとっては衝撃的だ。

だからこそ共同通信がスクープし、

東京新聞や地方紙は問題意識を持って大きく報じたのに、

安倍政権に迎合する大手全国紙は無視しているのだ。

 そう書いた。

 それから4日ほどたって、きょう5月29日の朝日新聞は今頃になってこの報告書の事を書いた。

 その内容は共同通信が報じた内容の焼き直しでしかない。

 それでも私は朝日新聞が書いた事を歓迎する。

 こうなれば、その他の大手紙も書かざるを得なくなるだろう。

 なぜならば、この報告書は、今後、6月のIAEA理事会で議論され、9月の総会で公表されるからだ。

 いくら安倍政権に都合が悪いからといって無視するわけにはいかないからだ。

 そんなことをすればメディアの自殺になるからだ。

 そうであれば早く報道するほうがいい。

 そして遅れて報道するなら、目新しい事を書くべきだ。

 このIAEAの最終報告書は、報じられる原案を読む限り、

安倍首相が五輪誘致で語った、「原発事故はコントロールされている」という、

あの発言は、まっかなウソだったと断じているようなものだ。

 これが安倍首相にとって致命的になる。

 もちろん原発再稼働は不可能となる。

 果たしてスクープされたこの報告書は、

そのまま採択されて9月の総会で世界に発表されるのか。

 米国の下請けをしている天野事務局長のIAEAが、

安倍首相を窮地に立たせ、安倍政権の原発再稼働を不可能にするような報告書を認めるのだろうか。

 今後メディアが報じるべき点はその一点である。

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