【J2第7節：セレッソ大阪　0✕2　ツエーゲン金沢】4/11の試合観戦記です。

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【J2第7節：セレッソ大阪　0✕2　ツエーゲン金沢】
http://www.jleague.jp/sp/match/j2/2015/041110/live#live
前半が終わった時に一緒に観戦してた友人と
「マドリーとかバルサが負ける試合ってこんな感じだね」
っと冗談ぽく言ってたんだけどね。
これまでの6試合は内容が悪いながらも、しっかりと勝ち点を重ねて来ていた。こういうことはチームの完成度よりも大切なことだと思ってたけどね。
翻ってこの試合に関して言うと、アウトゥオリ監督も言っていたように、これまでで一番良い前半であった。
「事故みたいな失点だからしゃーないよ」
周囲からは口々にそういう声が聞こえてきていたが、私としてはあの失点で明らかにセレッソのメンタルが落ちたのが、手に取るようにわかった。
「切り替えできるかが、この試合のカギだな」

ここでちょっと別な話を。
「スポーツ選手のメンタル」というので、テレビを見ていてなるほどなと思ったことがあった。
［炎の体育会TV］という番組の中で、
「錦織圭とテニス対決」という企画があった。
松岡修造コーチが対決する相手に選んだのは、
杉村太蔵（元衆議院議員・テニスで国体優勝経験あり）
工藤阿須加（俳優・ソフトバンクの工藤公康監督の息子）
石井大裕（TBSアナウンサー・元テニスプレイヤー）
という3人。
松岡「この3人で総当りの対戦をして、勝った選手だけが錦織に挑戦できる」
杉村「えー、この二人と対戦するの、オレが大恥かいちゃうから、嫌だよ」
空気を読まずに、杉村は約10分ゴネ続けたらしい。
ゴネている間、他の二人は特に集中することもなく、生温かい目で杉村を見ていた。
私も含めた視聴者の殆どは、杉村に勝ち目はないと思っただろう。
しかし、試合はもうここから始まっていた。
総当りの対戦で杉村は2勝して、錦織への挑戦権を獲得、と思われたが、
松岡「全員が錦織とは対戦してもらう。私は皆の『メンタル』を試したんだ」
そして松岡は負けた工藤と石井の弱点を指摘した。
実は石井は、かつて錦織と対決したことがあったのだ。
当時、石井が高校一年、対する錦織は小学校六年。
普通に考えれば、いくら優秀な選手といえど、小学生に勝ち目はないと思う。
しかし、天才少年の錦織は勝利してしまったのだった。
かつての屈辱を思い起こされた石井、目に涙を浮かばながら悔しさを噛み締めていた。
「しかし、試合はもうここから始まっていた。」
と先述した。
ゴネている時は誰も気付いていなかったが、杉村は自分が勝つために何が必要か、ということを考えて、こういう行動に出たのだろうと、私は思った。（もちろんテレビの企画なので、「杉村さん、こんな感じでお願いします」というのがあったかもしれないけど）

というわけで、ハーフタイムが終了。
一気に何かを変えるために、2枚替えがあるかとも思ったが、選手交代はなし。
「交代が遅い」とは言わない。交代のタイミングも選手も監督が決めることだから。
立ち上がりを見ても、切り替えができているようには見えなかった。
かたや相手は自身を持ってプレーしていた。
「先制できたから、セレッソが相手でも勝てる」
ピッチの11人のみんなが、この共通意識の下に戦えていたように見えた。
この試合で注目していたのは、現在得点王の清原選手。
ポジションはオーソドックスな形の右サイドハーフ、レフティなのでドリブルでインサイドカットするのがシュートパターンなのかなと思っていた。
前半はその形が殆ど見られなかったが、後半は立ち上がりから鋭いドリブル突破を何度も見せてきていた。
そして、そのドリブル突破からファールを誘ってPKを獲得。
セレッソサポーターに向かって蹴るPK、セレッソサポーターは大旗をゴールの真裏に集めた。
キッカーの清原選手にとって、これだけの圧力は初めての経験だったのでは。
そしてゴールマウスに待ち構えるのは、韓国代表GKキムジンヒョン、プレッシャーがないはずがない。
しかしこれが得点王の貫禄か、あっさりとPKを決めてみせた。
その後もセレッソの攻撃は空回りが続き、今シーズン初のスコアレスとなった。
セレッソサポーターからは盛大なブーイング。
いつもは拍手で周回する選手を迎える私も、拍手もブーイングもしなかった。
「メンタルの切り替え」
スポーツでは良く使われる表現ではあるが、当然だけど「切り替え」は必要なことではある。
「切り替える」ということは、「忘れる」ということではない。むしろ忘れてはいけないと思う。
自分自身は、こうして書くことによって「切り替え」できたと思っている。
（了）

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