アニメ艦これ最終話(独断と偏見)


タイムラインのどなたかが「制約があって出来なかった云々」とおっしゃっておられましたが、私にそういうことを考察する脳はないので、これは単純に「何をした、そしてしなかった」でしか判断しない感想です。

1つ、運命に勝てなかったのに吹雪のために…をやらかした。
吹雪によるインターセプトが間に合った時点で既に表の予想を裏切ってくれました。それはいいのですが、赤城が「私たちは勝てなかったのに、彼女は何者なの?」…と言ってしまった。
これはループ物というか運命を変える系の話ではタブー。前任者がどれほど精一杯抗ったか、が描かれもしないのに後任者が運命を変えてしまった…なんて軽々と口にしてしまっては、前任者は無能ということになってしまいます。
『ドラゴンナイト4』では主人公のカケルが成長して時を遡りエトとなる世界観でしたが、カケルの目で見たエトがいい加減に過ぎたために魔王に敗れてしまいました。それを見たカケル、「次のエト」が前のエトの反省に立ち見事魔王に打ち勝ったのですが、それでも前のエトは何をやってたんだと言いたくなることも確かでした。
一方『プリンセスうぃっちぃず』は主人公を全てのループで御堂真樹に固定しました。最初の真樹こそ運命に無知、無力であったものの、時間のループを重ねるうちに運命を打ち破る方法を心に刻み、最後の1周で見事世界を救ってみせたのです。
さて、アニメで運命に打ちひしがれる寸前だった赤城が何をやったかと言うと、やるだけのことをやったようには見えなかったのです。「やっぱり運命には勝てないの?」というセリフは、あの世界では吹雪にしか許されないと思います。

2つ。とにかく何かがかみ合わない。演出がヘタなのかなんなのか、大和の到着、ヨークタウンのごとくに馳せ参じた翔鶴・瑞鶴、満を持して出撃した長門、提督の復活そして彼の隠し玉大鳳…と、シチュエーションだけなら燃える要素満載の最終話だったにもかかわらず、その要素を動かす潤滑剤が足りないような、とにかく「物足りない」「不完全燃焼」な何かを感じずにいられませんでした。どうしてでしょう。

3つ。意味深長に浮かび上がってきた如月の髪飾り。吹雪の宿敵となるはずであった(…わりに案外あっさり沈んだ)空母ヲ級改の沈没地点と思われる場所から、ぽっかりと如月の髪飾りが浮かんできました。
3話で如月が死ぬ時海の底から浮かぶような演出を見せていたものでしたが、それが今更に出てきた理由は何でしょうか。
見解の一つは深海棲艦化したヲ改の正体説。駆逐艦と空母ということで相当無理があるのですが、それでも赤城たちを史実のとおりに葬り去ろうとしたことは事実ですし、吹雪の言を信じるなら絶対にMI棲地(飛行場姫が進化して中間棲姫になった)を落とさせまいとする呪力を振るっていたのでしょう(キルバーンと一つ目ピエロみたい?)。
二つ目は、如月の怨念は具体的でないにしろ存在していて、吹雪たちを勝利させまいとあの戦場を操作していたが、それでも打ち破られ怨念から解放されたという考え方。
いま一つは単純に吹雪の勝利によって成仏できただけというもの。
しかしいずれの説に於いても勝利によって如月が解放されたという、その死の利用のようなことになってしまいました。まして見解によっては、如月が艦娘達を運命の環に繋ぎ止めていたなんてことにもなってしまう。如月一人にそんな力があるのかは置いておいて、如月提督への裏切りではないですか、これは…?

4つ。私情ですが榛名は俺のヒロインだったのに出番がない。最終話はいつにも増して雑セリフ回収回だったにも関わらず榛名がそれっぽいことを言ってくれなかったのです。無限再生とも見えた中間棲姫を前に「まだやれます!」と言ってくれない、提督復活の報を聞いても金剛と吹雪に魅せコマを取られて「勝利を提督に!」と言ってくれない。4話の微妙な彼女からさんざん待たされてこれでは「俺はイヤだね…」と言いたくなります。我がままでしょうけどね。

…それでも、吹雪が間に合って運命を変える方向に行った以上、誰も死ぬことなく完全勝利を迎えられたことは純粋に喜ばしいのです。祝勝パーティーはおおいに行いたいのだと思います。そして私は榛名とユートピアを探すでありましょう。ある意味思い出をありがとう、アニメ艦これ。きっと貴方を忘れないが、第2期なんか私の意地で観ない。

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