aomidoro3

赤かっぱ · @aomidoro3

15th Sep 2014 from TwitLonger

@sailorsousakuTL いおしほ お昼間えまさんとしゃべってたやつ えろいよ



 (ありえない…。びしょ濡れにされた挙句、見ず知らずの人を保健室に運ばないといけないって…。意味わからないわ…)

 ぼんやり思い出せるのは黒い背中。なぜか濡れて重たそうな制服に身を包んだその背中は、背負われていると見た目以上に細くて脆いのがよくわかる。

(いきなり水ぶっかけてきて、そのままぶっ倒れたことをお忘れ?羨ましいことだわ。『雨沢伊織』さん?)

 綺麗な顔をに浮かべる苛立たしげな表情が妙に子供みたいで。かわいいなぁなんて思っていた。

(へぇ、智由利の知り合いなの。面白いわね、全然キャラクターが違うんだ)

 きょとんとしてから興味深そうににやっと笑う顔は、悪戯な雰囲気で。真面目そうなのに、ずいぶんと表情が豊富であることに少しだけ驚いた。

(私は間宮紫歩。なんでかしら、あなたとは仲良くなれそう。静かそうだし)

 あの時握った手はやっぱり細くて、少しだけ冷たくて。



「ねぇ、伊織。私、あなただったらいいなって思うの」

 あの時より少しだけ柔らかさを取り戻した小さめの手が、あの日よりもずっと熱い体温を持ってぼくの首にまわされていった。

「ちょ、え?な、なに言っとるん…?」
「伊織私のこと、幸せにしてくれるんでしょう?」

 確かに言った。
 いつだって実らない恋を胸に抱いていて、それに殉じて死のうとする紫歩。
 誰かに心を預けていないと足元が揺らぐなら、ぼくだっているのにって。

「そりゃ言ったけど…」
「じゃあ、ねえ。いいんじゃない?」

 広がる髪が、夜の空みたいだった。そこに寝そべる紫歩の瞳が、妖しく光る星みたいだなんて思ってしまって。

「…ああもう!どうなっても知らんぞ!?」
「だからいいって言ってるのに。伊織はひどくなんてできないでしょう?」

 蠱惑的な笑み。こんな顔もできたのかって。

「止めへんから、な?」

 せめてもの反抗と思って、少しだけ乱暴に紫歩の顔を掴んだ。

「うん。して?」

 唇には触れられなかった。
 ほっそりとした首筋に、当てるだけのキスをした。






 ぼくたちは二人とも、暗黙の了解のように声は出さなかった。
 セーラー服は脱がしにくくてずらしたまま。薄暗い部屋に黒い服。その隙間から見える紫歩の驚くほど白い肌が眩しい。

「…は、っふ」

 その白の肌はやっぱりいつもの紫歩の肌より熱い。うっすら汗ばんでいて吸い付くような肌は触り心地がよかった。
 浮き出た肋骨の縁をなぞる。身をよじりながらちょっとにらんでくる志保を見るに、単にくすぐったいのかもしれない。嫌そうな紫歩の顔はどこかそそるけれど、あんまりやっていると怒られてしまうだろう。
 詫びるように鎖骨を少しだけ齧ると、大げさにびくっと跳ねる。結構敏感、かな?

「くっ、ひ、ぅ…」

 そろりと胸元に忍び込む。すでに緩められていたブラの隙間から指先だけで触れると、ゆるりと立つ中心が弱弱しく震えていた。
 あの人ほど大きくないけれど、ぼくよりは確かにある膨らみは、何かに例えられないほど柔らかい。世の男性たちが病みつきになるのも仕方ないと思えてしまうこの膨らみには、なにか抗いがたい中毒性を感じた。

「っ、伊織。おっぱいすきなの?」

 気付けば、ずっとそこばかり触っていたのかもしれない。ぽんぽんと頭を叩かれて意識が浮上する。薄暗くても分かるくらいに紫歩の頬は赤くて、目は泣きそうなほど潤んでいた。

「…好き、かも」
「へぇ、伊織も子供みたいなとこあるんだね」

 言いながら、とん、とんとゆっくりと背中を叩かれる。そのリズムがなんだか落ち着いてしまって、危うく眠ってしまいそうになる

「ほな、子供らしいことさせてもらうわ」
「きゃ」

 ぐいっと、黒のセーラーを捲り上げる。ブラごとあげると、重力で少し崩れた双丘が露わになった。
 胸に顔を近づければ、ぎゅうっと紫歩が目を閉じて横を向いてしまった。
 まぁ、いいけれど。

「ふ、あぁっ…」

 先端は弱そうだったから、先に側面に舌を這わした。汗と、なぜか甘い何かの味がする。不思議な柔らかさが口の寂しさを助長させて来る。

「なあ」
「な、に?」
「噛んだら怒る?」

 ぺろりと舌を這わせて聞くと、驚くほど体をびくつかせて紫歩は首を横に振った。

「やだ、こわい」

 泣きそうな顔。そそる顔。その顔は、拒否をするときに使ったらだめだよって、教えてあげたいけれど。

「…わかっ、た」

 その衝動を我慢するのが精いっぱいで、声なんて出せなかった。
 歯でひっかくように先端に触れると、ぼくから逃げるようにか背筋が沿っていく。そのせいでぼくが触れやすくなることに気が付いているのだろうか。

「ひっ、や、やあっ…!」

 さっきやさしく叩いていた背中を、がりりと強く引っ掻かれる。爪が短いからか痛みはないけれど、むずがゆさが強い。

「痛い?」
「いたくは、ないけどっ…!」

 このままずっと、苦しそうにびくつく紫歩を見ていたい気がしていたけれど。

「…もう、終わらせよか」
「う、え…?」

 スカートの裾から手を差し込む。軽く触れただけで、細い太ももはびくびくと震えているのが分かる。
 ついと下着に指を這わす。むわっと蒸れたようなそこは幽かに濡れていた。

「ッあ、いお」
「ごめんな。紫歩」

 辛そうに全身を震わせる紫歩があまりにもかわいそうだった。潤む瞳はいつ涙をこぼしたっておかしくない。

「んんん!ぅ、あっ!」

 唾液で濡らした中指で、水源の上にある秘芯を潰す。くりくりとしごいてやれば、もう声を抑えきれないらしい紫歩はぼくの髪を掴む。髪がちょっと抜ける感触と痛み。まあ、耐えられる。

「いお、り…!」

 怖いのかもしれない。縋るような声。震える手と体。
 せめて恐怖が軽減できるように。開いた左手でその体を抱きしめた。

(好き、やで)

 今のぼくは、紫歩にとっていったい誰の代わりなんだろう。
 伊織ならいいよ、のセリフは何度だって聞いた。それでもいつも二人で、ご飯だけ食べて帰るためになんとなく誤魔化していたのに。今日みたいに行動に移すことなんてなかったのに。
 誰かに何かを言われた?見てしまった?また勝手に落ち込んでしまった?
 
 本当はどれだっていいけれど。いま大切なのは、紫歩のほしいものを与えてあげるだけだ。

「ひっ、あ、んん!も、もう…!」
「いけそうか?」
「ふぅぅ…!い、おりぃ…!」
「大丈夫。大丈夫やから」

 好きだよ、なんて。代用が言える言葉じゃないから。

「まかしときぃ、な」

 ぎゅうっと力いっぱい閉じた紫歩の瞳から涙が一粒だけ落ちて、

「んんぅ…ッぁ!」

 一際大きく跳ねて、力が抜けた。






「あー…大丈夫か?」
「えぇ」
「えと…」
「腰痛いし、喉も痛い」
「それはぼく悪くないやん…」

 気付いたら、ぼくたちはご飯を食べた後のまま。ワンルームのリビングでやらかしてしまっていたんだって、冷静になってから思い出した。そりゃあ腰も痛くなるだろう。一応労わるように腰をさする。疲れてしまったんだろう紫歩は、くたりと力を抜いて目を閉じている。眠ってしまう気かもしれない。それならせめてタオルケットでも取らせてほしいところだけれど、紫歩の手はぼくの服をがっちり掴んでいて動くことを許してはくれない。

「なあ紫歩。寝る気ならなんか羽織らんと風邪ひくって」
「いい。伊織温かい。いつも冷たいのに」
「すまんなあ…。でも一応、人間はみんな温かいもんや」
「そうなのね。私はあなたしかしらないもの」
「…は?ぼくしか?」
「そんなに経験豊富に見えた?」
「は、初めて?」

 だってそんなこと、最初に言わなかった。
 初めて?そんなものを、ぼくなんかで?

「ふあぁ…一回寝るわ。おやすみ」
「ちょ、ちょっと待って。置いてかんといて。説明して!」

 目を閉じた紫歩は、そのままゆっくり体重をぼくに任せて、くったりと力を抜いてしまう。そして呼吸が落ち着いて行って、もうなにも反応してくれなくなった。

「まてや…。まじかよ…」

 絶望すればいいのかもしれないけれど、現金な自分が喜んでしまっているのが分かる。そんな自分に絶望だよ。もう…。

「もう、考えたくない…」

 ぼくも寝てしまおう。後のことは、起きた後の自分に丸投げだ。

「紫歩の、あほ」

 安心しきって眠る紫歩を、そういえば初めて見るのだと気付く。だけれどもう、それに感動も何もできない余裕がない。

「…紫歩」

 好きの一言は、眠っている相手にだって出せなかった。

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