朝日たたきが意味するもの


この危惧に完全に共感する。
「共感」と落ち着いて言っていられる心境ではない。
まるで空を覆い尽くし、一気に勢いを増す雷雲のようだ。
底知れぬ不安を感じる。

→ 以下引用

水島朝穂氏「平和憲法のメッセージー『直言』 9月15日
    《巻頭言》 全文

「9.11」から13年目のその日に、「吉田調書」と「吉田証言」の問題で、朝日新聞社長が謝罪会見を行った。それぞれ異なる背景や事情があり、「誤報」の問題については十分な検証が必要だが、この間のメディアの扱いは、本質的な問題を抜きにした「朝日たたき」の様相を呈しており、明らかに異様である。ちょっと引いて冷静に考えてみよう。一新聞の「誤報」を突破口にして、原発再稼働と集団的自衛権行使、政府の歴史認識について批判的なメディアをたたいて、一気にその実現をはかる、一種の「反動」・復古"Restauration"が始まったのではないか。支持率を下げてきた安倍政権の「秋期攻勢」である。歴史を振り返れば、大きな転換点では、たたきやすい失敗やミスが事件化され、巨大な歴史的居直りのきっかけとして使われることがしばしばある。「日本の名誉を回復する」と、ネオナチとのツーショットが海外メディアで問題にされた総務大臣や政調会長が語る。ナチスとの関わりは、欧米の政治家なら、それだけでアウトである。誰がこの国の名誉を棄損しているかは明らかだろう。事柄の本質を見失ってはならない。ミスや誤りはそれとして検証しつつも、メディアの本質的役割は権力をチェックし、国民の知る権利に奉仕するものであることを忘れてはならない。権力者のメディアたたきに同調していると、1930年秋のドイツのような状況に近づいていくことになりかねない。「直言」でこのことを含めてしっかり論じたいが、都合により、9月はじめに脱稿した原稿のアップがしばらく続くことを冒頭に申し上げておきたい。

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