もし、待ったをかけたら


藍子「中学二年生の時に話しなんだけど。」

待った!
今井「その記憶はほんとうですか?」
藍子「間違いないよ。あの時のことは絶対に忘れないから。」
今井「告白されたのは初めてだったの?」
藍子「うん、そうだよ。二度と無い、初めてだね。」
肇「なんだか私も気になるから、続きを言ってみて」
藍子「わかったよ」


藍子「クラスの男子のラブレターが下駄箱に入ってたの。」

待った!
加奈「下駄箱にラブレター!」
肇「ずいぶん、古風な手段をつかう人だったんだね。」
加奈「普通は、メールでの告白ですよね。」
藍子「私、その時、携帯持ってなかったから・・・下駄箱なら、関係ないでしょ?」
チヒロ「あっ、親しい人以外にはメールアドレスは教えないでくださいね。」
藍子「はーい。それで・・・」


「最初は入れ間違いなのかな?と思ってたんだけど、私宛だったんだよ。」

待った!
加奈「もっと藍子ちゃんは自信持ってください!かわいいですから!」
藍子「そ、そんなことないよ。」
肇「藍子ちゃんは可愛いと私も思うよ」
藍子「は、肇ちゃんまで」
チヒロ「はやく続き。」

「『屋上で待ってる』って有ったから、放課後、行ってみたんだよ。 」

待った!
今井「告白の定番の場所ですね。私の第213号メモの32ページにかいてあります」
肇「メモったの、ぜんぶ覚えてるの!?」
チヒロ「あのメモ、200位上も有ったんですね・・・・」
肇「宇宙多元論を知ってるのもうなずけるよね・・・」
藍子「まぁ、そんな感じで呼びされたんだけど」


「そしたらね、そのクラスの男子は こう言ったんだ…… 」

待った!
肇「加奈ちゃん!なんで止めるの!?」
今井「あっ、すいません・・・条件反射的に」
肇「それで、藍子ちゃん、その人はなんて言ったの!?」


「『俺、藍子みたいなゆるふわ貧乳が 好きなんだ!付き合ってくれ!』」

待った!
加奈「あまりにもひどすぎます!ものには言い方があります!」
藍子「相手が言うには、『相手の長所を褒めろ』って本にかいてあったんだって・・・・」
肇「まちがってないけど、まちがってるね・・・」
チヒロ「その後、彼にはどうしたんですか?」
藍子「ビンタしました。」
肇「藍子ちゃんがビンタするなんて・・・・」

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