多発性硬化症をエドガーケイシー療法で克服する ③


http://www.caycereading.com/ventureinward/ms_kokufuku.htm

1997年6月

9 人の多発性硬化症患者が、ケイシー療法の効果を試す研究プロジェクトに参加した。1996年年9月、彼らは10日間、泊まりがけで治療を受け、帰宅後もプ ロトコル(訳注:治療のための実施要項)に基づく治療を継続した。そのうち7名が、6ヶ月後の1997年3月、その後の経過を見るため、数週間の追跡治療 を再び受けたが、2人はこの追跡治療を受けなかった。この2人のうち1人は、プロトコルを全く行わず、病気のため直ちに最初のプログラムに戻ってしまっ た。もう1人は,プロトコルに少しは従い,多少の快方はみたものの、追跡治療を受けられなかった。追跡治療を行った7人のうちの1人は、追跡治療を始める 2ヶ月前までプロトコルを実施していなかった。

プロトコルの内容は、金とアトミダインを使用したウエットセル(湿電池)を毎日使用すること、オイルマッサージ、食事療法,理想と行動、感情の鍛錬、瞑想、呼吸法などである。

健康状態は、自律神経系の生理的な状態の測定(皮膚電気反応と心拍数の変化)と自覚症状の両方から判断した。精神状態は、自覚症状から判断した。

プロトコルを継続した者(ただし、誰も実施を完ぺきにしてはいなかったのだが)は、自覚症状と皮膚電気反応の測定結果の両方において、平均して多発性硬化症の症状に緩やかな改善が6ヶ月間にわたってあった。7人のうち 3人は大きな改善があった。改善の度合いは、ケイシーの予想と一致していた。年間を通じてプロトコルの遂行を継続し、注意を向ければ、それだけ高い成果があげられる。これは、綿密な計画性と情緒面での患者へのサポートが必要となる。

イントロダクション

多発性硬化症は,脳と脊髄におけるミエリン(神経線維の軸索を包む物質)の炎症と 変質に伴う不調である。ミエリンの欠如は,電気インパルスが脳へ行き来する神経機能の崩壊をもたらす。バランスと調整に係る障害、脚部の弱体化、視覚障 害、疲労、排尿や排便の障害、認識や情緒の障害といった症状を引き起こす。従来の西洋医学では,多発性硬化症は自己免疫疾患と考えられ、身体がその自己の 細胞と組織を攻撃するものとされている。遺伝的形質、伝染性そして外部環境の諸要因が関与している。

エドガー・ケイシーのリーディングはこの多発性硬化症に対し、様々なアプローチをして いる。リーディングでは、多発性硬化症の主要原因は、金の不適切な吸収によりもたらされる内分泌腺のバランスの欠如、特に肝臓に関係しているという。研究 プロジェクトの目的は、ケイシーの治療方法の効果を検証することにある。この治療方法は、従来の西洋医学を補完することを意図する医学であり、西洋医学に とって代わろうとするものではない。(しかし,うつ病などの関連症状の治療を受ける者はいるが、一般的に参加者は、多発性硬化症のための正規の治療を受け ようとしない) ケイシーの養生法は、食事療法、湿電気と呼ばれる低電圧の器具の使用、そしてオイルマッサージが基本である。

プロジェクトの内容は次のようなものである。

(1)バージニアビーチで10日間泊まりがけで以下の活動を行う。

多発性硬化症の初期状態を、背中と腹部の皮膚における体温分布表や自律神経系の機能の注射や切除のような苦痛を伴わない診 断によって判断する。多発性硬化症のためのケイシー療法に従った食事法。カイロプラクティックによる脊髄補正。腹部のひまし油湿布。自宅におけるマッサー ジセラピストによるオイルマッサージのトレーニング。洗腸セラピストによる洗腸。各人(器具の共用はしない)の湿電池(ウエットセル)の使用。ヒーリング について肉体、心理、スピリチュアルな側面についての講義を受けること。

(2)自宅における6ヶ月間の治療プログラム

毎日根気よく食事療法を続ける。定期的に、プログラムに与えられた指示に従って、湿電池(ウエットセル)の使用の後オイルマッサージを行う。ヒーリングのスピリチュアルな面に注意を払うこと。

治療や治療関連の出来事について日記をつけること。

(3)6ヶ月のプログラム終了後3日間の継続治療を行う。内容は次のとおり。

自律神経系の診断。症状の様子、心理、情緒および精神面での質問票の記入と評価。治療とサポート体制についてのグループディスカッション。長期の治療とサポート体制のプランニング。

ケイシーのアプローチ

多発性硬化症は、患者個人ではなく医師向けに病気そのものについてリーディングがなされた数少ない病気のひと つである。リーディング907-1では、「この脊髄と脳におけるこういった状態は、血液のホルモンバランスの乱れからくる同化吸収システムの状態が招いた 結果である」と言っている。

アンバランスな食事と内分泌腺の機能不全により引き起 こされる、とされる。特に、それらの腺とは「肝臓と胆汁管に関わる腺に関係する」という。何を加えたら良いかという質問に対しケイシーは、「これは、進化 的分化(訳注:単一のものが内部で分かれて複雑なものに発展すること)によるものであるが、金の作用、つまり金の原子的作用がこのシステムには加えられる べきである」 ケイシーは、金は、湿電池により振動を引き起こされる。銀や鉄も同様である。患者個人に与えられた多発性硬化症に対するいくつかのリーディ ングでは、ヨウ素の腺に対する働きの重要性も述べられている。マクミランとリチャーズ(1994年)は湿電池とこれらの解決のための使用方法について詳細 を述べている。食事について、ケイシーは、低脂肪、鮮度の高い野菜、ノンフライであることを勧めた。多発性硬化症や他の症状に必要なのは神経の再生で、生 野菜、生のにんじん、レタス、セロリ、クレソンが特に薦められた。このプロジェクトのための治療プロトコルは、非常に多くのケイシーの多発性硬化症リー ディングに基づいている。

多発性硬化症のリーディングで明白なことには、ケイシーは、スピリチュアルな面を強調していることと、因果 ファクターとなるカルマが呼び起こされたということである。たとえば「カルマと戦っている間、人間は霊的な面における信条を一新する必要があり、(いった ん受肉すると)私たちは、もし、身体が本来持っている、他を助けるという能力を使うのであれば、より早い反応が出てくるに違いない」(3626-1) あ るいは「カルマの状態に関していえば、霊的な面においての最初のレッスンは、忍耐である」(3779-1) 他の霊的なアドバイスとしては、「まず、肉体 に加えられ、親愛、忍耐、一貫性、どのような障害が立ちはだかろうとユーモアのセンスを忘れず忍耐強くいること、などが大切である。親愛と思いやりを見せ なさい」(4005-1)

多発性硬化症を癒すのに長期間かかるのは、リーディングからも明らかである。たとえは「体調を改善させるため には、忍耐、持続性、そして肉体と心において、自分の手と足を正しく用い、(社会に)役立たせようとしたり、使ったりすること。そしてそれを自分自身が決 心をすることが必要である」(3695-1) あるいは「回復力は、諸治療を行うにあたっての持続性と一貫性に大きく関わっている。というのは、5~6年 周期の一般的な劣化の蓄積がある。チェックし、そして鍛えるには、7年間の周期を完了する必要がある」(3907-1)

患者をサポートすることが欠かせない、ということもまた多くのリーディングから明らかである。ケイシーから多 発性硬化症のリーディングを受けても少しの人しか必要な期間治療を実際に継続して実施していなかったようである。我々が重要視しなければならないことのひ とつは、サポート体制に焦点を当てて実際に有効に機能するようにすることである。

ケイシーアプローチは、医学的な見解の主流から外れているが、金と肝臓の両方に関しての有効性について指摘す る医学文献もいくつかある。人体における金の役割に関する文献は非常に少ない。金の化合物は関節炎の炎症を抑える特性があるがゆえに有益とはされてきた が、一般的には不活性のため薬理作用を示さないものだとされている。金の神経系における病理学との関連について研究したのは、たった一人である。El-Yazigiら による論文(1984年、1990年)は、脳腫瘍のある患者の脳脊髄液の流れにおける、銀と金の両方について他の要素の多岐にわたる性質の探求とともに考 察している。(ケイシーによると、銀は、神経系の再生にとって、別の重要な要素である) 悪性腫瘍患者の銀の濃度は2.31である。この濃度の高まりにつ いての生物化学的メカニズムは知られていない。正常な細胞に対して腫瘍がある場合に金との関わりに一貫性はないけれど、松果体腫瘍患者の金の濃度は、正常 な場合や他の腫瘍患者の約2倍である。松果体は、ケイシーの人体システムモデルにおいて重要な役割を担うので、金との関係については、もっと探求する価値 がある(リーディング3612-1には,多発性硬化症に関連して関連松果体の腺について述べられている)。 El-Yazigiのグループは特に多発性硬化症患者を調べているわけではなかった。ダグラス・リチャード(1997年1月)との私信によると,El-Yazigiは誰か他に神経系における金の役割について気づいているか分からないし、彼自身これ以上この研究を続けないと言っている。.

多発性硬化症における肝臓との関わりについてのレポートもある。Taubら(1989年)、Noseworthy と Evers(1989年)とPontecorvoら (1992年)はすべて、多発性硬化症と肝硬変の胆汁、慢性病、肝硬変を起こすような進行性の胆汁液管の破壊、肝不全のいくつかのケースとの罹患の関係が あると述べている。著者は、多発性硬化症と肝臓のトラブルを自己免疫過程の結果と見なす傾向にある。しかし、確かに、肝臓の問題は、多発性硬化症を引き起 こす原因と考えられるが、多くの人々において問題は微妙であり、現在の医学テストで見抜くことはできない。

方法

患者の募集、選抜、そして同意:多発性硬化症患者は「ベンチャーインワード」というARE発行の雑誌の広告を 通じて募集された。参加の可能性のある患者は、診察歴とアンケートの記入が依頼された。記入されたアンケートから、メディカル・インスティチュートの人事 部はこのプロジェクトによる恩恵がありそうな人を選んだ。成人であれば、年齢に制限はなく、性別や人種も問われない。こうやって9人の参加者が最終的に選 ばれ参加した。参加者には開始前に、調査員からプロジェクトの詳細について説明があり、参加者は承認書にサインをした。承認書では、一般的な治療の中止は 行わないことを強調していた。参加者は、ひまし油湿布、オイルマッサージ、湿電池の使用において特に顕著なリスクはないこと、洗腸により多少腹部の不快が あることについて知らされた。参加者はまた、参加者のすべての医療記録がエリック・メイン医学博士の指導のもと、メディリアンインスティチュートにおいて 保管され、一般に認められている医療の標準に基づいて機密性が守られているということも告げられた。

評価とデータ収集:初期状態の診断とデータ収集が合宿の最初の朝に行われた。目的は、治療効果の評価の基準を確立することであった。評価はつぎのような内容である。

 参加者の症状とライフスタイルに関する質問

 自律神経系の診断

 カイロプラクティックによる診断と体温分布表

簡単な医学的な身体検査

最後の自覚症状とライフスタイルの影響が追跡治療の6ヶ月後に行われた。

カイロプラクティックと体温分布表による診断:カール・ネルソン医師はカイロプラクティックによる評価を行った。体温分布表写真は胸郭の背骨と腹部がFlexi-Therm液晶サーモグラフィックカメラで撮影された。

診断:エリック・メイン医学博士は大まかに多発性硬化症の症状の苦しさを患者の自覚症状の訴えに基づいて診断した。

自覚症状とライフスタイルの評価:デビッド・マ クミランは、症状とライフスタイルに関する質問回答票を処理し、多発性硬化症以外の合併症がないかどうか調べるための聞き取りも行った。質問回答票は、多 発性硬化症の症状と生活や心的、情緒的、精神的問題について興味のある参加者に配られた。

症状と生活の質に関する質問事項

症状のチェックリスト:これは26項目の症状からなる。5項目の回答については、「なし」から「非常に」という選択形式。この質問票は、プロジェクトの初期、自宅療養の間の1ヶ月ごと、そして追跡治療の週に、参加者によって記入された。

活動の評価:これは23項目の運 転、買い物、セックス、拝礼に行くなどの活動項目からなる。これは、生活の質を測るものであり、特定の症状には関係しない。それぞれの項目には「制約な し」から「大いに制約あり」まで6段階のレベルがある。点数は、0点(全くどんな活動に対して制約がない)から115点(すべての活動に大きな制約があ る)までである。この質問票は、プロジェクトの初期、自宅療養の間の1ヶ月ごと、そして追跡治療の週に、参加者によって記入された。

生活機能の評価:これは、11項 目の質問項目からなり、病気の生活機能に対する影響をみる。項目には、「書いたり話したりする能力」、「明瞭に考えたり記憶する能力」に対する「問題な し」や「多少病気による影響あり」といった選択回答といったものを含む。最後に、単独で質問があり、それは「ケイシー療法の養生法を始めてから、自分の症 状がどのようになったと感じたか」というもので、「とても向上した」や「とても悪くなった」といった回答の選択をする。点数は、11点「何の機能障害もな い」から47点「すべての機能に強い障害がある」までである。この質問票は、プロジェクトの初期、自宅療養の間の1ヶ月ごと、そして追跡治療の週に、参加 者によって記入された。      

薬の副作用評価:これは、神経病 と精神病を治療するための投薬における典型的な薬害21の項目である。「なし」から「かなり深刻」までの6段階で回答する。点数は、0点(薬害なし)から 105点(かなり沢山の深刻な薬害あり)までである。この質問票は、プロジェクトの初期、自宅療養の間の1ヶ月ごと、そして追跡治療の週に参加者によって 記入された。 



心的、感情的、精神的質問回答

態度と感情の評価:これは15項 目からなり、エドガー・ケイシーによって頻繁に挙げられた問題に基づき、デビッド・マクミランが発展させた。項目には「私はとても協調的な人間である」、 「信用できない人間である」といったものである。総合点は、15点(とても消極的な態度)から60点(とても積極的な態度)までである。この質問票は、プ ロジェクトの初期、自宅療養の間の1ヶ月ごと、そして追跡治療の週に参加者によって記入された。この記入は、参加者自身、介助の割合によっては介助者に よってもなされた。

ベックのうつ調査:これは、ベッ ク(1961年)らによって開発されたうつ症状の一般的な診断方法である。これは21項目からなり、「私は気が沈んでいる。悲しい」、「私は以前よりも泣 くようになった」といった内容。総合点は0点(憂うつの症状なし)から約70点(いくつかの項目では一つ以上の回答が可能であるが、他は一つしか選択でき ない)である。この質問票は、プロジェクトの初期、自宅療養の間の1ヶ月ごと、そして追跡治療の週に、参加者自身および介助者によって記入された。

精神的幸福の度合い:これは20 項目の「精神的幸福」に関する評価である(パロチザンとエリソン(1982年)とエリソンとスミス(1991年))。項目は2つのタイプがある。一つ目の タイプは、一般的な(存在の)幸福と目的意識を見るもので、例えば「私は人生を肯定的な経験とみる」、あるいは「人生は無意味だ」といった内容。二つ目の タイプは、宗教的な幸福を評価するもので、これはキリスト教の概念における神との関係に基づく。例えば、「私は個人的に意義深い神とのつながりを持つ」と いったもの。総合点は20点(意味のない人生)から120点(高い存在と精神的幸福)までである。エリソンとスミスは、この点数と物質的幸福、身体の病気 に対する肯定的調整は、相関関係があるとする。この質問票は、プロジェクトの初期、自宅療養の間の1ヶ月ごと、そして追跡治療の週に参加者自身および介助 者によって記入された。

精神的体験の指標:これは、7項 目からなり、精神的な鍛錬、信念と経験(カス他(1991年))に関することである。質問は多様な精神的な側面に触れており、1つのスコアにまとめるのは できなかった。カスらのシステムにより評価すると、患者のすべてが、ある狭い範囲での精神的体験において高い得点をしている。さらに、体験における傾向を 分析するため、7つの質問項目を付け加えて、1から4段階の神に対する信仰の深さの度合いを選択する13項目とした。総合点数は、13点(精神的体験な し)から52点(あらゆる面で深い精神体験を持つ)までである。この質問票は、プロジェクトの初期、自宅療養の間の1ヶ月ごと、そして追跡治療の週に参加 者自身および介助者によって記入された。

癒しにおける質問項目:これは6 項目からなり、デビッド・マクミランにより発展させられたもので、ウェイン・ジョナス他(シュナイダー 1994年)によって議論された6つの形態を網羅 したものである。項目には、治療、手当、生活の質、向上、啓蒙そして魂の進化を含む。参加者の各人にとってヒーリングの6つの形態がどのくらい優勢かをみ たり、各ヒーリングの形態をどの程度各人が感じているかをみていた。評価はひとつの指標にまとめることは意図していない。   

自律神経系評価:自律神経系機能 のいくつかの面についてダグラス・リチャーズが電算器具を使って診断した(バイオパック インストラメンツ MPS100)。我々は、心拍数を心電図で測 定し、手や足の指は体温分布表、皮膚の電気電導力(皮膚電気反応)、呼吸そして指の温度で測定する。我々の目的は、多発性硬化症において現れる神経系の不 均衡の形態を探ることである。我々は、多発性硬化症の文献(カミネロ他1995年、ドゥロリー他1995年、エリーとロウボティン1995年)に基づき、 心拍数の変化や皮膚電気反応に異常があるものと考えていた。

家庭治療のプロトコルとモニタリング:はじめの 会合は、参加者が家庭において治療を実施できるようにするためのトレーニングであった。ノートが配られ、それには家庭での治療の詳細な説明と1ページに書 かれたトリートメントプロトコルの要約があった。日誌帳が配られ、プロトコルを守っているか、症状の変化、逆効果があれば記録するようになっている。家庭 での治療中、参加者は進捗記録を月ごとに出すように求められた。参加者には、特別に医者の相談しないかぎりは、体調によって現在の治療方法を変えたりしな いように求められた。いかなる変更についても日誌に記録された。    



質問事項の分析と心理測定:症状 と生活の質に関する質問事項は健康診断とともに、広範囲にわたる身体障害について明らかになった。同様に、心的、感情的、精神的な質問事項も多岐に変化に 富んだものとなっていた。質問結果と各質問項目間の相関関係は、一般的な傾向を見るのに最も有益である。というのは、小さなサンプルサイズの場合、非常に 高い相関関係は、統計的に有為であるからだ。多岐にわたる質問項目は、多発性硬化症の症状の似通った面があるが、各点数の相関関係は、お互いに関連しあっ ているということを示す。

温度分布の診断は、恒常的な「熱 い点」が、各患者の第6番目と第7番目の脊椎のあたりの胸部の中央にある。この発見は、恐らく消化システムの機能障害(たとえば、肝臓・胆汁、膀胱・胆汁  液管)であろう。一貫していえるのは、腹部の右上部の4分の1のところに「冷たい点」があるということだ。

皮膚電気反応と心拍数の変化は、 2つの自律系の測定値であるが、これは多発性硬化症の症状と関連しているとされている。皮膚電気反応は(皮膚電気伝導率の基準値と4つの自律系のテストの 結果を総合して測られる)、殆どの参加者の間でかなり低いものとなった。また、実際は、4人が多発性硬化症の症状がひどく欠席した。この結果は、ほかの多 くの(たとえばカミネロ他(1995年)は皮膚の交感反応は皮膚電気反応と似通っていると報告している)多発性硬化症研究者の結果と一致している。皮膚電 気反応は、基準値、自律神経系テストの結果と測定値の総合点(マイクロジーメンスによる測定値)を示す。心拍数の変動は、1分間に6回の呼吸をするという 深呼吸時の心拍数の幅と1分に6回と12回の深呼吸をする間のスペクトラルパワーの割合(FFTか らの)1と2ヘルツで)を示す。後者の2つの測定値は、それぞれ交感神経と副交感神経の活動をみようとするものである。皮膚電気反応と心拍数変動の主観的 な質問項目との相関関係を示す表では、多くの自律神経系の変数は重要ではないが、それはサンプルのサイズが小さいことによる。しかしながら、傾向は顕著 で、たとえば、心拍数変動と多くの質問項目、皮膚電気反応とスピリチュアルな良き存在や生活機能には高い相関関係を示す群がある。    



追跡治療

日誌による進捗状況:プロトコル に従った治療をしているかどうかや進行状況についての日誌は毎月提出された。6人の参加者が6ヶ月間継続してプロトコルを守った際の症状の傾向は、はっき りと上向きであるが、何人かにおいては際立った回復が認められる前に数ヶ月間治療を続けることが必要であるのは明白である。

質問回答内容と生理的測定値の分 析:質問回答の要約。質問回答の要約は参加者にプロトコルの多様な要素に従った割合がどれくらいであったかを尋ねたもの。すべての参加者は、ほぼおなじく らい(だいたい)プロトコルを守ったと回答した。湿電池の使用は継続して行ったが、湿電池使用後のオイルマッサージの能力はまちまちであった。サポートを いつも受けられた者もいれば、サポートがなかったり、自分でやったり、マッサージをしなかった者もあった。参加者は1点=かなり向上した、4点=変化な し、7点悪くなったといった7点評価で進捗状況を測った。すべての参加者が、態度や気分そして多発性硬化症の症状と双方において、いくらか良くなったと報 告した。

インタビューで明かになった個人的体験について

プロジェクト6ヶ月経過の時点 で、最も興味深い結果は、統計分析ではなく参加者個人のコメントやインタビューに現れた。参加者は、皆、プロジェクトをかなり肯定的に受け止めていた。イ ントロダクションで述べたように、ケイシーは、多発性硬化症をカルマがかなり関わった状態としている。つまり、症状や治療効果は、専ら心的、感情的、精神 的事柄との関係によることになる。

参加者からのコメント

D.Aさ ん:「丈夫になってきました。そしてゆっくり着実に癒されてきました。外部から客観的に認められる成果は、必ずしも多いとはいえません。というのは、ま だ、震えやバランスの欠如があり、動作がぎこちないのです。でも、全体的には、丈夫になり、改善されています。神経と筋肉の機能もじきに良くなると思いま す。小さいけれど好ましい変化がいくつか出ています。最近は、居眠りの時間と回数が減りました(以前は1日に3~4時間取っていました)。以前より安らい でいるような表情になり、肌のシミも薄らぎました。これは、主人が気付いたことです。やる気も出てきて、家の手入れをする気になりました。これから、もっ とやることを増やそうと思います。先日は、熊手で庭の手入れをしていました。汗をかくくらいです。大したことではありませんが、それでも、私は大感激で す。」

結び

このレポートをカバーする6ヶ月 間、患者自身の所感においても、自律神経系に関係する態度や情緒面においても、多発性硬化症は、かなり改善された。これは素晴らしい成果である。というの は、ケイシーのリーディングや未公表レポートに出てくるこの方法を試した多発性硬化症患者によると、治癒にはかなり長い期間を要するというからだ。

(精神面でなく)身体自体の治療 (食餌療法、湿電池、マッサージ)は、直接的な効果を狙っているが、ケイシーのリーディングでいう「継続と根気」を要する。そのため、このプログラムの成 功のためには、信頼できる人間のサポートやネットワークが欠かせない。多発性硬化症においては、情緒面についてサポート体制に関することのみに言及されが ちだが、魂の成長を促す大いなる機会であるということも見逃してはならない

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