Kerrang!記事和訳 

ヒデト・タカライは驚くべき人生を歩んできた。HYDEの名で知られるVAMPSのヴォーカル・ギタリストは、20年以上ロッカーとして活躍し続けている。歴史的ロックバンドL’Arc~en~Cielのリードヴォーカルでもある彼はアーティストとして大成功をおさめており、4枚のソロアルバム以外にも映画出演、日本の大型フェスからUSS Missouri上でのライブ等に出演している。そんな彼が現在、VAMPSとして更なる人気を高めている。23年のキャリアの中で一番誇らしかった瞬間は?という質問に彼は「今、ちょうどKOKOでやったロンドン公演の編集作業をしてるんだけど、海外のファンがみんな英語で歌っているのを見て、すごく誇らしかった。やりたかったことを成し遂げた、憧れていたアーティスト像に届いたかもしれない、と思いましたね」と即答した。

パートナーであるギタリストのK.A.Zと共に彼が目指すのは、海外でも日本と同じぐらい知名度を上げること。日本では、熱狂的な「ブラッドサッカーズ」と呼ばれるファンに日々追いかけられる彼等。1400人のキャパを誇るKOKOでの公演は、彼等が海外シーンを乗っ取る上の第一歩だ。世界中のどこにいても、君の体に血が流れている限り、VAMPSは君を狙っている。

一回噛まれてしまうと、VAMPSの魅力からは逃れられない。日本のブラッドサッカーズは、カルト的熱狂ぶりで彼等のスタイルを真似、魅惑的なエレクトロ・テイストからハードロックまでもを盛り込むロックアンセムに首ったけだ。街を変装無しで歩けないというHYDEは「街中で気づかれるのってあまり好きじゃないんで、人と目を合わせないようにしてます。眼鏡と帽子は必須ですね」と語る。

イギリスではまだ大丈夫なようだ。渡英の際は、普段できない買い物を楽しんでいるという。しかし、そんな静かな生活も今のうち。「日本での知名度をこちらでもいつか」と彼は目標に掲げているのだ。

VAMPSの血まみれの歴史から見ると、Mr. HYDEが望むものは必ず彼の手に入る。2008年にK.A.Z (本名カズヒト・イワイケ)とVAMPSを結成した際、
きっと世間は彼等をスーパースターの暇つぶし、とでも思ったのではないか。しかしHYDEは即座にVAMPSを46本のライブツアーに連れ出した。それ以来変わりなくタフなスケジュールを続ける彼等は、日本語アルバムを2枚リリースし、過酷なツアー日程を今でもこなしている。彼が普通のアーティストだったらこの時点で満足をし、お金を数えラルクアンシエルの次の活動を待ってぐだぐだしているだろう。
「ラルクアンシエルは、4人の全く違うアーティストから成っているんです」HYDEは語る。「なので完成した作品がどういう形になるか、全く予想できない。僕が想像していたものと違うこともあるんです。でも、K.A.Zとは目標やゴールが同じなので、僕が描いている理想のバンドや音楽に一緒にたどり着けるんです。僕の思った通りの表現ができるというか。」

ラルクに比べ、VAMPSは精力的に海外活動を行い続けている。既にアジア、ヨーロッパやUSで民に噛み付きブラッドサッカーズという名の犠牲者を出し続けている彼等だが、それでもまだ血は足りないという。
そこでとったステップが、2013年のUniversalとの契約、そして英語版SBRの再レコーディングとリリース。音楽的には、彼等の大胆で魅惑的なMUSE, Motley Crueと80年代のエレクトロニカをミックスしたようなサウンドは健在。ただ、英語で再録音することによって「ガイジン」にとってLove AddictやRevolution IIが歌いやすくなったのだ。

しかし彼等が日本と同じレベルの成功をおさめることは簡単なことではない。HYDEは「長い道のりだと思いますよ」と言う。しかし、「他の日本人バンドが到達できかったポジションを見てみたい」という彼の目標は、そんなに遠いものではないだろう 。英語歌詞で歌わないバンドとして、UKのメジャーなフェスティバルをヘッドラインしたことのあるのは未だにRammsteinのみ。英語の歌詞に変更してUSを制しているのは、同じくドイツ人のTokio Hotelのみ。
HYDEの目指すUKとUSの制覇は、例えるならオジー・オズボーンがスペースシャトルをハイヤーし、火星を制覇しようとするようなものだ(オジーは火星語をしゃべれるかもしれないけど)。しかし、彼のチャレンジ精神は今回通訳を通しても十分に伝わってくるほど明白だ。「金銭的なものを求めるんだったら、日本で活動してれば十分なんですよ。でも、それじゃ満足できない。僕の夢は、海外でも僕たちの音楽が受け入れられることなんです」

VAMPSのミッションの次のステップは、彼等にとって最大のUK公演、6/14のDownload Festival、Pepsi Max Stageの出演だ。スケジュール的にKillswitch EngageやBring Me The Horizonとかぶりそうだが、HYDEは「僕たちが一番かっこいいですよ!」とニヤリ。「他のバンドなんて見てないで、僕たちを見にきて欲しいな」。じゃあ、何故VAMPSを観に行くべきか?と問いかけると彼は言う「人間はロックの魔力を忘れてしまったんですよ。80年代のロックって、ちょっとワルいイメージたったりタブー的なイメージだったでしょう。ヴァンパイアとして、僕たちはそのロックが持つ魔力的な魅力を音楽ファンに思い出してほしいんです」。

VAMPSはそれをきっとそれを成し遂げるだろう。世界中のみんな、気をつけろ、きっと一噛惚れするぞ。

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[日本発!イギリス人におすすめしたい日本のすごいもの/ところ]

*エヴァンゲリオン
「僕の一番好きな映画です!」

*ラーメン
「日本でやっぱ一番有名なんじゃないですか?イギリス人も好きそうだし。」

*布袋さん
「日本人はすごいギタリストがたくさんいるんです。手先が器用な一が多いんですよね。」

*規則を守る国民性
「日本人はルールを守るんです。イギリスに来た時に、みんな普通に信号無視をしててビックリしましたよ!」


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