_NO1KNOW_

??? · @_NO1KNOW_

25th May 2014 from TwitLonger




『あちー』
「あつー」


まだ夏でもないのに、この蒸し暑い気温は暑がりの私にかなりこたえる。

せっかくの休みなのに何もすることがないので、チャニョルと床に寝てはあついあついと言うだけのことを繰り返している。



『あついー』
「んー」
『あーつーいー』
「うるさい」
『あつい!』
「あーもーおりゃ」
『あついやだはなれて!』


彼の身体は大きいもんで抱きしめられるとすっぽり自分が入ってしまう。その行動に心臓は慣れていないので毎回ドキっとするものの、今回に限ってはただ鬱陶しいだけだ。



「あつい?」
『うんあつい離れてお願い』
「どうしたら暑くなくなるかね〜」
『離れればいいと思うよ』
「あ、アイス買いに行く?」
『…いく』


毎回彼のペースに乗せられてしまうなーと思う反面、それもなんだか居心地がいいと安心してしまう。



「あ〜涼し〜」
『何にしよっかなアイス』
「これとかうまそう」
『あ〜いいね…もちろんチャニョルが奢ってくれるんだよね?』
「は?なんで?意味わかんない」
『普通男の人なら出してくれるけどな〜』
「じゃあこのアイスキャッチできたら出してあげる」
『は?なにそれ?』
「ほれ、ほれほれ」
『え、ちょ、届かないって』


背の高さをそこで活用してくるとはなんと狡い男なんだろう。


「あれ?届かないね〜これはお前の奢りじゃね!イェーイ」
『もう知らない』
「あ、ちょ」


あんな高い場所届くわけないだろ!卑怯なやつ!と大人気なく不貞腐れて、ひとりズカズカと出口付近の日陰にしゃがみ込む。


一応待つよ。待ってあげるよ。


すると、


「うぇーい(笑)」
『つめた!』


私の頬に冷えたアイスクリームを当てて満足げにチャニョルは笑った

そのアイスも、さっき私がひそかに食べたいとこぼしたやつで。
それを食べながら歩いて帰る。



「俺優しいから買ってきた」
『いーや全然』
「あ?何だって?」
『全然優しくない』
「は?意味わかんね〜」
『だってジョンデくんの方が優しいもん』
「…」



ジョンデくんと比べたら黙り込んじゃった。言い過ぎたかな?いやいやここは厳しくいかないと。どうだ、いじめすぎると自分に返って来るんだよ。



「俺がジョンデだったらよかった?」
『…え?いや、そうじゃないけど』
「俺はお前じゃなきゃやだよ」
『あ、の』
「…許して」



今日彼に抱き締められるのはこれが2回目。気温は時間が経つにつれてどんどん暑くなっていく。さっきまで鬱陶しいと思っていた行為が、今はただ自分の心臓を早く動かすだけだ。



「好きだからいじめたくなるの。俺の癖」
『う、ん』
「…許してくれる?」
『…うん』
「ん、」


許すと返事をすると彼の腕が緩み、今度は顔を近づけてくる


『な、なに?!』
「え?仲直りに、ほら」
『え、しないしないしない』
「なんで〜してよチュー」
『しないって!』
「してよ」
『しない!』


恥ずかしいし!まだ外だし!気づいたら猛ダッシュしてたけど、いやいや恥ずかしいったらありゃしない!立ち直り早すぎ!全く男子って…



「はーい捕まえた〜(笑)」
『いや!離して!変態!』
「静かになるまで離さない」
『…』
「素直すぎ(笑)ほら、チュー」
『…』


早くこの状況から逃れたくてほんの一瞬頬にしてあげると、簡単に話してくれた。

すかさずまた逃げる私。しかし彼は追ってはこない。どうやら下を俯いたままのそのそと歩いている。


そのまま家に着いても何も喋らないので、うるさい人が黙るとこんなにも静かなんだなと実感する。



『ねえ、どうしたの?(笑)』
「…お前からさ」
『、うん』
「…お前からチューしてくれたの、はじめてだから」
『え、あ、そうかも』


その事実に気づいた瞬間自分でも恥ずかしくなって黙り込んでしまう。


「…嬉しいなーって」
『…さようでございますか』
「なんで敬語なの(笑)」
『いや何か、恥ずかしくなっちゃって』
「は!かわい!」
『やめて!』







彼のイタズラ癖は直りそうにありません。


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