yujinfuse

布施祐仁 · @yujinfuse

20th May 2014 from TwitLonger

葬られた命令違反 吉田調書から当時を再現 - 朝日新聞デジタル
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吉田所長は2号機で衝撃音がした後、「一時、作業に必要な要員を残して、念のため避難します」という通報FAXを保安院や福島県に送ってる(3月15日午前6時37分)。
吉田所長はいったん「対策本部を福島第二へ移すこととし」と書いた後にそれを二重線で消している。2号機の格納容器の圧力がどんどん上がっていって危ないとなった時に、福島第二を想定して、作業に必要な要員を残して一時避難の準備に入った。
しかし、実際は格納容器が爆発した可能性は低く、そこまで危機的な状況ではないと吉田所長は判断し、避難指示を「福島第二」から「すぐに戻れる第一原発構内の線量の低いエリアに退避」に修正したのだろう。しかし、実際には、約650人の所員が免震棟を出て乗り込んだバスは第二原発に向かった。
こうした経過をみれば、あの混乱の中で吉田所長の指示の修正が正確に伝わらなかったのではないか。実際にこの時に、第二原発に一時退避した東電社員に再度確認してみたが「当時いた他の社員にも聞いたが、間違いなく第二に避難という指示だった」と話している。
もちろん当時、約720人いた所員の中には、機会あらば逃げ出したいと思っていた人もいただろう。しかし、逆に、「逃げる」なんてことはまったく考えず、高い志と責任感で命を懸けて事故の収束に当たっていた人も多かったのである。私が取材した人は、皆、後者であった。
なぜ吉田所長の指示の修正がきちんと伝わらなかったのかは不明だが、これをもってあの時、第二原発に避難した人たちが、命令に背いて“逃げた”などと捉えるべきではないと思う。
もちろん、朝日の記者が問題提起しているように、死ぬ確率が高い作業を誰かがやらなければ事故対応ができない局面において、誰もそれをやる人間がいなくなるという問題はしっかりと考えないといけないことには異論はない。

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