「学童クラブ廃止を目的とした「新あいキッズ」事業の見直しのための、区議会による調査・検討に関する請願」

【請願 要旨】
「あいキッズ」事業の見直しが突如利用者である保護者の耳に入ってきた。
区では既存の「学童クラブ」廃止に向け、平成21年度から「学童クラブ」と「放課後子ども教室」を一体的に運営する放課後対策事業として「あいキッズ」を順次小学校で展開してきた。この現在までの「あいキッズ」では、「学童クラブ」の形態を残しながら、学童登録をしていない全児童を対象にした交流の場を提供している。区内小学校53校のうち33校の約6割が現「あいキッズ」の制度で運営されている。
 まず、この現制度から新制度への移行について、利用者である保護者に知らせないまま制度改定を進めようとしていたことに区民は驚いている。新制度では長年慣れ親しんできた「学童クラブ」が廃止される。児童福祉法第6条の3の2に基づく学童クラブ事業(放課後児童健全育成事業)を廃止するメリットが区にあるとは思えない。
 さらに、文部科学事業の「放課後子ども教室」の補助金においては、永続的ではないプロジェクト予算であることがわかっている。そのためプロジェクトの変更や中止となった場合にどのように区は対応するつもりでいるのかも検討されていない。
 そして、子どもの安全の問題である。全児童対象となるため十分な人材の確保や配置が行われるのかが不明である。区や学校は委託先の運営にどこまで関与できるのか、安全面での対策はどのようにはかられるのか、万が一の時の対処と責任の所在はどこにあるのかなど、現状では明確ではない。制度変更するならばこの危機管理の部分はしっかりと規定すべきてあろう。

 以上のことから、
一、「新あいキッズ」事業の強行実施をしないように強く要望する
二、板橋区は拙速に「学童クラブ」を廃止しないように善処するよう保護者に伝え、安心させてほしい
三、「新あいキッズ」事業の、区議会による十分な調査・検討を行うことを要請する

【請願 理由】
 突然の新制度への移行について、利用者である保護者への説明が全くされていない。保護者が知りたいのは何故拙速に新制度への移行と学童クラブ廃止をするのか、その理由の説明である。
 所管の教育委員会事務局学校地域連携担当課の説明によると、(1)運営プログラム上(2)活動拠点上(3)登録・参加上、以上3点の課題が制度改定の理由ということである。しかし、この3点の課題がいったいどこから(誰から)出たものなのかはっきりせず、(3)登録・参加上においては、新制度になったとしても“オプションタイム”を利用すれば結局区分は2つになり、就労している保護者の手続き自体は現状と全く変わらないことが明らかである。
 あたかも子ども達や保護者のためといいながら、これまで学童クラブを利用してきた保護者の要望がどこに入っているのかわからない。
 さらに国の「放課後子どもプラン」についての詳細な内容を理解していないのではないかと思われるような担当課からの説明が目立った。これで保護者に安心してほしいというのには無理があるのではと考える。
 事業案と条例案を上程する、教育委員会事務局学校地域連携担当課においては、子どもの安全・命がかかっている事業であるということを念頭におき、「あいキッズ」は誰のための事業なのかをもう一度考え直してもらいたい。

 以上が本請願に至った理由である。

請願者 橋本久美
紹介議員 長瀬達也議員

板橋区議会議長 茂野 善之 様

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